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へら鮒 2018年8月号 へら鮒
2018年8月号
特別企画 伊崎哲魚 エサ慣れした西湖べらを「軽さ」で仕留める! 西湖コウモリ穴

30分もエサを打っていれば、水面下に黒々としたへらの姿が確認できるほど居着きが濃い西湖、石切。大自然の素晴らしい景色のなか、長竿チョーチン両ダンゴ狙いが堪能できる。ここでしか味わうことができない独特の世界がある。しかし、エサが合っていないとウキは全く動かない…。

写真と文:本誌=伊藤洋一

取材協力:つり宿「青木ヶ原」
TEL:0555-82-2502
http://aokigahara.jp/index.shtml

一景
http://ikkei-jpn.jp/

伊崎哲魚(いざきてつぎょ) 昭和37年生まれ。神奈川県川崎市在住
今シーズンは家庭の事情で釣行回数がめっきりと減ってしまっているが、過去の経験値から素早く状況を読み解きながら、釣り方、エサをキッチリと合わせていく技巧派である。
一景アドバイザー
月曜フィッシングクラブ会長・ビッグへら鮒会所属

西湖、石切をこよなく愛する!

へら鮒釣りをやっていて、一番の憧れの釣り場といえば、口を揃えて「西湖、石切!」との声が聞こえてくる。普段見慣れないコバルトブルーの独特な湖水が、ゴツゴツとした荒々しい「溶岩」に呑み込まれているような風景は、「凄い!」との感動の言葉しか出てこない…。

しかし、いくら素晴らしいロケーションが広がっていても、ウキが動かなければ釣り人の姿はない。

美しい風景に加えて、吸い込まれる感じがするほどの澄みきった湖面にエサが「ポチャン」と落ちて、ウキが立ち上がった時点から「フ、フッ」とアオられ、ウケられてを繰り返しながらナジみ込んでいく最中、エサをひったくるように「ドカッ!」と豪快に落とされる。

アワせた瞬間には「キューン」と糸鳴りして穂先が水中へと引きずり込まれる。ボートから身を乗り出して、腕を目一杯伸ばしてタメて耐えて、こちらを向かせてからも、「ゴン、ゴン、ゴ、ゴ、ゴ、ゴーン」と深場へと突進。この強烈な引きを4、5回繰り返してボート近くまで寄せると、黒々とした肉厚の魚体がグワーンと反転する。思わず「デカい!」と叫んでしまうほど。

他の釣り場にはない、この「感動」こそが、西湖の魅力である。

そんなロマン溢れる「石切」に魅せられて、5月中旬からのシーズンインとなると、例会以外の仕事休みのほぼ全てで、ここ西湖で竿を振っているのが、「一景」アドバイザーでもある伊崎哲魚氏。

6月14日(木)、梅雨の谷間でうっすらと日が差す中、西湖へ向かった。この冬は記録的な寒さが続き、標高が高いだけに気温、水温の上がりが悪く、釣れ出しが遅いのではと思われていたが…。4月の開幕当初は冬の延長でウキはそれほど動かなかったが、5月中旬に温かい大雨が降って水位が急上昇。地べら化した良型が一気に目覚め、水温が高いヘチ周りに集結して活発にエサを追っての爆釣に沸いた。

その好調さをキープしている情報から「憧れの聖地」だけに、平日でも例会組が殺到。時期限定の独特な雰囲気を味わいたいと思う人たちが多いようで、取材当日も20パイ以上の出舟となった。

今シーズンは家庭の事情で釣行回数がめっきりと減り、まだ4回しか竿を出していない伊崎氏だが、昨年までは60回以上も「エサ合わせ」に没頭していただけに顔見知りの人が多くて、盛んに挨拶が交わされていた。

出舟時間が迫ってくると会話も減り、「釣れるか?」との緊張感が高まり、期待と不安が交錯する静寂なひと時となる。水温よりも外気の方が低く、湖面から水蒸気が立ち上がっている中で、モコッと顔を出しては消えていく「モジリ」の波紋があちらこちらで確認できた。

青木ヶ原2代目、若主人のスマホが5時を知らせるアラームが鳴ると「出舟してください!」の声がかけられ、一斉にオールを漕ぎ出して水面は波立った。

伊崎氏はまだ出舟しない。これは自身が一番好きな「石切」の釣りを満喫して楽しんでもらい、また来たいと思ってもらえるような気遣いからで、全員の出舟を見届けた後、岸辺からボートを押し出した。

東風が吹くとの読みで「コウモリ穴」へ

足場がいいのでボート固定が簡単な「中平」から埋って、各出っ張り部分に次々と到着していく。第2出っ張り先の「屏風岩」はぽっかりと空いていたが、その先の「白樺」に人が入っているのを確認する。記者が撮影で出入りして迷惑となることを考慮してか、「和田島」を曲がった先にある「コウモリ穴」へと、手慣れた手付きで舳先にダイヤを噛ませてボートを固定した。

「石切に無理して入って、取材でガタガタすると迷惑をかけてしまうので、この『コウモリ穴』に入りました。スッキリと晴れない梅雨時期は、前浜方面から東風が吹くので正面からとなり、波がボートの中に入ってきて釣りにならない可能性があるので、比較的風がさけられるここを選びました。石切と違って普段はあまりエサ打ちされていないので、アタリ出すまで多少時間が掛かってしまうが、風流れの影響がなければドン深だけに石切に負けないポイントだと感じています」

昨シーズンも石切の混雑時にはポイントを譲って、ここ「コウモリ穴」で何度となくいい釣果を記録しているだけに、誰もいないが全く不安はなく、自信がある表情を浮かべて、まず最初にエサを作り始めた。

西湖、石切。絶好調の情報が広まり、平日でも雨が降らない限り最低でも10 パイは出舟する。取材日はその倍となり、伊崎氏はゆっくりとオールを漕ぎ出して人気薄の「コウモリ穴」に向かった

西湖、石切。絶好調の情報が広まり、平日でも雨が降らない限り最低でも10 パイは出舟する。取材日はその倍となり、伊崎氏はゆっくりとオールを漕ぎ出して人気薄の「コウモリ穴」に向かった

そのブレンドは!
「SD蒼天」240cc、「セットダンゴ」、「MD粘りのダンゴ」各 120cc、水120ccを入れて、指先を熊手状にして軽く10回ほどかき混ぜ、セッティングを決める。

何尺を出そうか少し悩んで湖面を見つめていると、やや沖めで「モジリ」が多く見受けられた。
「タナ1本半から24尺チョーチンまでのどのタナでもウキは動くはず。エサに反応して寄ってきたへらに食い気があり、タナが浅いほどカラツンが少なく釣りやすいですが、せっかく『西湖石切』に来たからには長竿チョーチン両ダンゴ狙いが一番やっていて面白いし楽しいので、少し深めから探っていきたいと思います」

竿「閃光L」21尺を継いだ。ミチイト「ダンへら名人」ブラウン1号。ハリス同「へらハリス」0.4号、55-70cm。ハリ上「アクト」7号、下同6号。ウキ「淳作」チョーチンPCムク13番(羽根1本取りB13cm、カーボン足7cm、1mm径PCムク19㎝)全11目盛中、エサ落ちは3節沈め。

伊崎氏のセッティング&エサのトータルバランスから「軽さ」が伝わってくる。エサが水分を完全に吸いきって、少し硬めのしっかりネバボソを軽く丸めて水中へと落とすと10cmほど沈むが、すぐに水面に上昇してきて「フワッ」と横に膨らんで細かくバラける。エサを丸めて表面だけをコロコロと転がす回数を増やすと、浮き上がることなくゆっくりと沈下していく。

伊崎哲魚の西湖お勧めブレンド!!

伊崎哲魚の西湖お勧めブレンド!!
SD蒼天 240cc
セットダンゴ 120cc
MD 粘りのダンゴ 120cc
水 120cc

つり宿 青木ヶ原

つり宿 青木ヶ原 電話0555-82-2502
日帰り釣行ではもったいない。ペンション風の綺麗な部屋で、食べきれないほどのおかずが並ぶ。一泊二食付きで7500 円

ハリ付け次第で持たせ方を自在にコントロールできるようだ。

魚影が濃いといっても、そこは野釣りなので寄りの濃さが一定ではない。こうしてハリ付け次第で調整できるのはかなりのアドバンテージとなる。

5時30分、1投目をウキの立ち位置へと落とし込んだ。寄せの意識なのでラフ付けとしたものと記者は感じたが、先端2節残しまでスゥーと深ナジミして停止した。
「全く状況がわからないときの基エサブレンドは『SD蒼天』、『セットダンゴ』だけの軽めからのスタートとなるが、一週間前の釣行で軽いと最初だけ釣れて、寄りが濃くなってくると持ちがイマイチとなったので、今日は『MD粘りのダンゴ』ブラス1杯の比重で持たせ気味から探っていきます」

約10秒ぐらい待っていると1節返された時点で打ち返す。しっかりしたハリ付けで「待つ」ことを確認したので、2投目以降は親指の先ぐらいの大きさに軽く丸め、ハリをその中心に埋め込み、チモト部分を軽く押さえるだけのラフ付けに変更するとナジミ幅は3節と浅くなった。
「どれぐらいでウキが動き出すかなぁ?普段あまりエサ打ちされていないので、30分ほどでサワリ出してくれれば、そこそこ居着きのへらが多いと思います」

ナジんで停止すると、それ以上待つことはなく空切りしていく。

1. 風の弱い日は珍しく、朝は無風で穏やかであっても、大概10時を過ぎると季節風が強まり波立つ。トップが長いと、風でウキ全体が「振れて」しまってアタリが取りづらくなるとの理由から、PCムクショートトップが装着されている「淳作」羽根1本取りに絶大なる信頼をよせている<br>2.ラインは豪快に攻めて、繊細に仕留めることが要求されるので、トラブルが極力抑えられる「ダンへら名人」。ハリは「アクト」6~5号を、エサの持ち方で臨機応変に使い分けている

1. 風の弱い日は珍しく、朝は無風で穏やかであっても、大概10時を過ぎると季節風が強まり波立つ。トップが長いと、風でウキ全体が「振れて」しまってアタリが取りづらくなるとの理由から、PCムクショートトップが装着されている「淳作」羽根1本取りに絶大なる信頼をよせている
2.ラインは豪快に攻めて、繊細に仕留めることが要求されるので、トラブルが極力抑えられる「ダンへら名人」。ハリは「アクト」6~5号を、エサの持ち方で臨機応変に使い分けている

むっちりタッチに反応がいい!

白く霞む水面にスクッと立ち上がるウキがいつ動き出すのか全神経を集中して見つめていると、5投目でボディをチラッと見せて立ち上がった。それまでは半節沈みで立ち上がっていたのである。

その変化を見逃すはずもなく、「あれっ、寄ってきたかなぁ」と呟くと、エサ落ち手前でフッと1秒ほどウケられたままの状態で、解除されて再びゆっくりと4節ナジんで停止した直後に「スパッ!」と落とされた。

むっちりとした弾力性のある「しっかりフワタッチ」に高反応を示していた。一発作りでは出すのが困難なタッチだけに、基エサと「粘軽うどん」入りの2 種類を状況に応じて「合体」させて合わせていった

むっちりとした弾力性のある「しっかりフワタッチ」に高反応を示していた。一発作りでは出すのが困難なタッチだけに、基エサと「粘軽うどん」入りの2 種類を状況に応じて「合体」させて合わせていった

「バシャ~」とアワせて竿が大きく曲がったが、直後に急に軽くなって後方へと飛んでいってしまった。アタリ方は完璧と思えたが、スレだったようだ。
「初アタリでスレか…。タナが高いのかなぁ。でも意外に早くアタったので、居着きのへらが濃いように感じます。すぐにサワリっきりになると思います」

ハリ付けの際での圧を変化させながら、どれぐらいの持たせ方をすれば連動した動きで食ってくるのかを探っている。

基エサを摘んだままでのラフ付け、小指の先の小エサだと、立ち上がった直後から「フ、フッ」と半節ほど上下したアオリを繰り返しながらナジみ込んでいくが、2節しかナジまない。この浅ナジミでは停止してからのアタリが出ずに、すぐにエサ落ちまで返されてしまう。
「タナに入ったエサが小さすぎて反応しない感じですねぇ。大きめで落下途中に削らせながらタナに入るようにしてみます」

エサを親指の先に戻して、指先でコロコロと7、8回ほど転がす回数を増やし、表面だけをコーティングさせて持ちをよくしたしっかり付けにすると、「ファ…ファッ…」と大きくアオられている。上に返されそうになるが、エサ玉が大きくなったことで、細いPCムクトップが先端3節残しまでナジみきった直後に「食い頃」になり、コバルトブルーの水中に「ズバッ!」と消えた。

アワせた瞬間には穂先が湖面に突き刺さっている。片手だけでは耐えきれずに両手で応戦する伊崎氏。黒光りした重量級が水面に浮かび上がってきた。 僅か7投目で初ヒット。ここから打つほどに寄りが濃くなり、サワられながらナジみ込んでいくのだが、なかなか食いアタリが出ない。水面近くに10枚程度のへらの姿が確認できるようになった。エサ落ち近辺でウケられていれば、ナジみきる寸前に「ガチッ!」、「ズバッ!」と落とされてポツポツと釣れてはいるのだが…。

1投、1投のナジミ幅がバラバラとなっている。この「削られ方」の違いで、アワせて終われていないことから「エサが合っていない」と判断。「軽く」して持ちがよくなるようにとの狙いから、手水を2回ほど打ってヤワに戻したところに「SD蒼天」を半握りほど絡めることによって、一発作りでは出ないコシのある「むっちり感」を強めた。

エサの落下速度、開かせ方が合􁻳ているから、ナジミ際で「ウケ」られるのである􁻐ウケが入らずに通過気味になると、アタ􁻳てもカラとなる

軽くしたいのであれば「SD蒼天」の出番

「昨年ぐらいから他の釣り場で高反応を示す『軽ネバ』タッチのエサだと反応が極端に悪くなってしまう。だからといって硬ボソだとバラけた粒子の漂う量が多すぎて、サワリだけで終わる『口離れ』になってしまう。しっかりして膨らみがいいものに高反応を示します」

軽くして、開きを抑えたことで落下途中でへらが吸いアオる粒子が少なくなり、エサ玉に口が近づいてきて、ウケ、アオリを伴いゆっくりとナジんでいく。停止した直後に「ガチッ!」。次投はエサ落ち通過直後にクゥッとウケられたままで「ドカッ!」と飛び込みアタリ。3投目はフワ、フワッとゆっくりと4節ナジみきって、「フワッ」と半節返されて、動き出した位置まで戻ろうとした瞬間に「ズバッ!」の消し込みで3連チャン。

西湖らしい豪快なアタリ方で満足そうな表情を浮かべ、強烈な引きに竿は大きなカーブを描いた。

決まったかに思えたが、ナジミ際でのサワリが弱かったり、ナジみ込みが早いと、必ずといっていいほど食いアタリが出ずにシーンとしてしまう投が目立ち始めた。

深ナジミするようになるとエサが「食い頃」に削られないことからシーンとしてしまう。だからといって、最初から小エサにしても反応せず、サワリだけで終わってしまう。

エサ打ち開始から1時間で9枚をカウントしたが、エサ玉がタナに入る直前に「食い頃」の大きさになっていないと鋭いアタリが出ないのである。そして、そのアタリの全てで釣れるのではなく、カラの方が多い。

それだけ何度も釣られているエサ慣れした魚が多いのである。

本当にシビアな対応が要求されるが、伊崎氏はそれを「ひもといて」いくことを楽しんでいるように記者の目には映った。

「水面が静かすぎて警戒心が強いのか、狙っているタナが合っていないのかを確かめるので竿を長くしてみます」

竿を22.5尺、ウキは番手をひとつ上げて14番に変更した(それ以外は同じ)。僅か4分ほどの中断後に再開すると、なんと1投目でエサ落ち手前で「クゥッ」とウケられたままで「ドカッ!」と落とされた。

次投もボディがチラッと見せた高い位置でウキが立つと「フッ、フッ…、フカッ~、ダッ!」と落とされた。伊崎氏が理想としているアタリだっただけに、つい力が入ってしまい「バシャ~」と鋭いアワセとなる。

一瞬、湖面から穂先が出て綺麗な半円を描いていたが、すぐに「キューン」と糸鳴りさせて穂持ち付近まで逆戻り。「ゴン、ゴン、ゴゴゴ~ン」と絞り込まれる。「スレか?」と感じるが、前傾姿勢になりながら耐えているとその走りが止まり、あまり抵抗せずに上がってくるところから、口にハリ掛かりしているようだ。その重量感から「デカそうです」と呟いた。

水面近くまで上がってきたが、ここからの抵抗が半端でない。深場へと逆戻りするのを4回以上も繰り返した。抵抗が弱まり腕を目一杯伸ばしても魚体が重すぎて口が浮かび上がってこない。「参ったなぁ。座ったままでは取り込めない」と苦笑いを浮かべ、膝立ちをして慎重に引き寄せて玉網へと収めた。

ウロコが綺麗に並んだ見事な抱卵べらであった。西湖らしい魚体である。これを仕留めたくて西湖に足繁く通っているのである。

21尺のときは高い位置からアオリが出たり、出なかったりの差はあったが、狙うタナが深い方が毎投のように立ち上がった時点から、「フワ、フワ~」。「フカ、フカッ」とアオられながらナジみ込んでいく。削られて「食い頃」になると一瞬静かになって「ドカッ!」、「ダッ!」と落とされる。そして決まったように穂先が水中へと絞り込まれる。

ナジミ際でのアオリが弱くてナジみ込みが早くなってしまう投は、まず反応しない。アタったしてもカラ、スレとなる。この状態が2、3投続くようになると、伊崎氏の対応は、エサ玉の落下が早すぎるとの判断から、小指の先ほどの小エサにスイッチさせる。

するとボディ近くで立ち上がってウケ、アオリを繰り返しながらゆっくりと3節ほどナジみきって一旦停止するが、「チャ、チャ」と小さく刻んで「ドカッ!」とアタり返す。小エサで1、2枚釣ると、ナジミ際でのフットワークが弱まり、停止した直後に鋭いアタリが出なくなると、バラけた粒子の漂い不足でエサ玉周辺に口が少ないとのサインとなる。

その状態になると親指の先の大きさに戻す。1、2投はいきなり「ズバッ」とアタってきたが、イトズレのカラとなる。しかし、全く気にすることなく打ち続けていると、口が戻ってきたようで、エサ落ち近辺でウケられている。

透明度が高いだけに、深場に居着いてるへらも黒々とした魚体をしている。毎日のように攻められて、何度となく釣れられて傷ついたのも多く「エサ慣れ」した強者揃いなので、簡単には釣らせてもらえない。騙し合いでの仕留めた感を感じられる釣り場はそうない

透明度が高いだけに、深場に居着いてるへらも黒々とした魚体をしている。毎日のように攻められて、何度となく釣れられて傷ついたのも多く「エサ慣れ」した強者揃いなので、簡単には釣らせてもらえない。騙し合いでの仕留めた感を感じられる釣り場はそうない

高い位置で「チャッ!」と落とし、ナジみきった直後のアタリ返しをアワせて時間10枚ペースとなった。

大きめのエサで落下が早くなると、小エサへとスイッチして仕留め、薄くなったと感じるようになると大きめに戻すを繰り返しながら、9時までに24枚をカウントした。

この時間帯になると気温が上がって薄日が差し込むようになった。予報とは逆の、いつもの「高松」方面からの風が強く吹き始めて水面が波立つようになり、その影響でウキがかなり早い速度で右手前へと流されてしまう。すると、急にエサ持ちが悪くなってしまい、浅いナジミではアワせられるアタリが出ない。空切りする途中で「ガツン」とスレ掛かりが頻繁となる。「東風の予報を信じてここに入ったが、いつもの風ならば石切だったかなぁ」と不安がよぎる。しかし、風が弱まるとアオられながら4節ナジんで食いアタリが出て釣れてくるので、エサは合っている感じだが、流れが強いと持たない。
「風流れでエサの持ちが悪くなったからといって、練って持たせるとまずいい動きにはならない。こんなときは軽さをキープしたままで持たせることが最善なので…」とエサを作り始めた。

軽さをキープしたままで持たせたい!

ボウルに「SD蒼天」360cc、「セットダンゴ」120ccを入れ終えると、背後のバッグの中から「粘軽うどん」を取り出したのである。5ccほど入れて粉の状態で均一に行き渡るようによくかき混ぜてから、水140ccを加えて軽く10回ほどかき混ぜた。作りたては軟らかかったが、3分経過するとギュッと締まったネバポロタッチに仕上がった。

指先を濡らしてほぐようにして小指の先の大きさにハリ付けして、落とし込むとアオられてはいないがゆっくりと先端2節残しまでナジんで停止した。

5投目くらいからナジミ際でアオられているが、深くナジんでしまうと反応が鈍い。チモトだけを押さえたラフ付けにすると、エサ落ちでウケられての「ガチッ!」で釣れたが、打ち続けるとサワリだけで終わってしまう。だからといって、しっかり付けにすると深ナジミするだけとなってしまう。
「水面が波立ち始め、魚の警戒心が薄れてタナが高くなった感じなので、釣りづらいため短くします」

9時30分。18尺をすぐに準備し終えて、「粘軽うどん」入りの小エサをテンポよく打ち返していく。7投目でエサ落ち付近にウケられて、再びナジみ始めた直後に「ガチッ」と落とされたが…。

完璧と思えた連動した動きであったが、まさかの空振り。気を取り直して次投を落とし込むと、立ち上がった時点から「フワ、フワッ」と半節程度の上下動を繰り返し、ゆっくりとナジみ込んでいく。そのフットワークから、いつアタってもおかしくはない雰囲気なのだが、吸い込んでくれない。

脇に置いてあった最初の基エサに変えてみると、ナジみきって「ズバッ!」と消し込んだ。5投で2枚粘釣したが、それ以降は寄りが濃くなるとサワリだけで終わってしまう「エサ負け状態」が目立ち始める。「粘軽うどん」入りに変更するが、開きを抑え過ぎているようで反応が鈍い。

基エサをもう少しだけ持たせたいということで、「粘軽うどん」入りを少々指先で摘んで合体させた。

すると、エサ落ち周辺で「フカ、フカッ」と大きくアオられているが、返されることなくサワられながら、下へ、下へとゆっくりとナジみ込んでいく最中に「ダッ!」と豪快に落とされる。サワリ負けするからと、ネバを合体させ過ぎると「持ち過ぎ」となりカラとなる。

エサが全く動かない状態のときは、サワられながらも3~4節ナジんでいたのが、風流れの影響で動くことからバラケ性が促進されて持ちが悪くなってしまう。持たないからと練り込んだり、ネバリが強くなる麩材で無理矢理ナジませようとすると、タナでの落下が早いのでスルーされてしまう。軽さをキープさせたままで持たせたいときは「粘軽うどん」のコーティング力で軽く持たせる

エサが全く動かない状態のときは、サワられながらも3~4節ナジんでいたのが、風流れの影響で動くことからバラケ性が促進されて持ちが悪くなってしまう。持たないからと練り込んだり、ネバリが強くなる麩材で無理矢理ナジませようとすると、タナでの落下が早いのでスルーされてしまう。軽さをキープさせたままで持たせたいときは「粘軽うどん」のコーティング力で軽く持たせる

ネバが強い軟らかいタッチだと、タナに入ってからの「膨らみ」が弱いことから反応が鈍い。練らなくても「もっちり感」が簡単に出せて、なおかつ軽いのが最大の個性でもある「SD蒼天」が両ダンゴ狙いでの主役である。口数の多い管理釣り場から野釣りまで、自在の持たせ方ができるので、どのような状況でも対応可能

ネバが強い軟らかいタッチだと、タナに入ってからの「膨らみ」が弱いことから反応が鈍い。練らなくても「もっちり感」が簡単に出せて、なおかつ軽いのが最大の個性でもある「SD蒼天」が両ダンゴ狙いでの主役である。口数の多い管理釣り場から野釣りまで、自在の持たせ方ができるので、どのような状況でも対応可能

ここで何かがひらめいたようで、別ボウルに「SD蒼天」、「セットダンゴ」の3対1、水1.2を作り置きする。 へらが薄くなってナジみ込みが早くなると、これを少量ずつ合体。サワられながらゆっくりとナジませて、口を引きつけて仕留めるという地道なエサ合わせの繰り返しで、納竿16時までに68枚まで数を伸ばした。石切エリアのトップは34枚だった。