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へら鮒 2018年6月号 へら鮒
2018年6月号
大越章智が新エサで武蔵の池を攻略メーターセットの核心

今回は「春の一景祭」と題して、2人の素敵なアングラーに登場してもらった。まずは、いつもグッとシブい表情でウキを見つめる大越章智アドバイザーである。4月3日(火)、好天のさいたま市西区にある武蔵の池で、今年のフィッシングショーでも話題となった新エサの「SB 彩雲」を使い、竿8尺メーターの即席ウドンセットで釣り込んでもらった。大越のシンプルな釣りは誰にでもとても分かりやすい。そして、よく釣れる。今回も淡々といつの間にかたくさん釣っているという、まるでマジックにでも掛けられたような不思議な体験をすることになる。

文と写真:本誌・諸

取材協力:武蔵の池
〒243-0804 神奈川県厚木市関口1122
TEL:046-245-1063

広松久水産株式会社
〒 813-0018 福岡市東区香椎浜ふ頭2-3-24
TEL:092-672-1017
http://ikkei-jpn.jp/

おおこし あきとも 1968年生まれ
小学1年生から、池の大会によく参加していた。10年ほど前からまた本格的にへら釣りをやり始め、埼玉の釣り場を中心に釣行を重ねる
一景アドバイザー

竿8尺メーター

中央桟橋釣り座94番へと入釣した大越は、バッグからとても彩り豊かで淡いパッケージのエサを取り出した。

その名は「SB彩雲(さいうん)」。

今回、この新エサを使って、百戦錬磨の武蔵べらを攻略するのだ。継いだ竿は8尺、メーターダナを即席ウドンのセットで釣る(タックル図参照)。

大越の釣りのモットーは「よりシンプルに釣る」ことである。だけに、バラケの配合もとても分かりやすい。

SB 彩雲

武蔵の池はすでにへらの活性が高い状態のため、
「SB 彩雲」2、「MB 荒麩バラケ」2、「SD 蒼天」1 に水1、
という「タナを意識したブレンド」で釣っていく

【バラケ】
●「SB 彩雲」2
●「MB 荒麩バラケ」 2
●「SD 蒼天」1
●水1

バラケは粉の状態でよく撹拌したものに水を入れ、サッと10回ほどかき混ぜ水を行き渡らせる。粗く硬い麩も入っているため10分ほど放置し、十分に水分を吸収させることがエサ作りの急所。その後、解すように丁寧にかき混ぜ仕上げた。タッチはシットリボソ。

【クワセ】
●「粘軽うどん」25㏄
●水25㏄

「粘軽うどん」は蓋付きの計量カップでシェイク作りしたもの。4~5回シェイクした後、さらに持ちを強くするために、水に浸けた人差し指で30回ほどしっかりと練り込み仕上げた。これをウドンポンプに入れて使用。

竿8尺 ウキ「へらの三水オリジナル」ボディ5cmの細いパイプトップ クワセを付けて5目盛残しに設定 道糸0.8号 ハリス 上0.6号 7cm 下0.4号 28cm ハリ 上「バラサ」7号 下「喰わせヒネリ」3号

武蔵の池中央桟橋
筑竿8尺1m「粘軽うどん」セット

さて、とても気になる「SB彩雲」とはどんなエサなのだろうか?
「比重は軽く、縦、横方向にバランスよくバラけ、その特徴を最大限に活かすのは浅ダナの釣りになります。ブレンド性に優れていますが、単品使いでは『抜きの釣り』に最適ですね。もちろん、集魚力も抜群!」

ご存知のとおり、エサを重たくするのは簡単だが、軽くするのは難しい。この軽いエサを作ったという意図はそこにあるようだ。

この「軽さ」が武器となる新エサを、活性が高くなりつつある池の状態に合わせるため配合したのが、「MB荒麩バラケ」と「SD蒼天」だった。
「大きく硬い麩が入っている『MB荒麩バラケ』は周りから剥がれ落ちるイメージ。縦、横方向に強くバラけてくれます。『SD蒼天』は、『SB彩雲』、『MB荒麩バラケ』のバラけるエサをタナまで持たせる役割を果たします」

バラケには数回にわたり手揉みが加えられたが、「SB 彩雲」は多くエアを含んでいるため、バラケ性は失われずタナで猛アピールする!!

「SB 彩雲」は、「軽さ」が武器!

基エサとして出来上がったバラケは別ボウルへと半分に分けられた。そして手首までボウルに張った水に浸した手で10回ほどかき回す。これを再度行いシットリ感をさらに強める。

「今日は両ダンゴでも釣れそうな状態なので、最初から確実にウワズらせることなく釣っていきます」と、出来上がったと思っていたバラケへと、今度はまたしても十分に濡らした手で、10回ほど揉み練りを加えるのだった。このバラケを最初から「小さめ」で打ち込んでいく。
「活性がある時期はこれくらいしっかりめのエサから入ります。これだけ練りを加えてもちゃんとバラけてくれるので安心して使ってください。エサ付けもとてもしやすいですからね」

釣り方の情報がない状態では、より簡単にエサ合わせが出来るように持つエサから入って様子を窺う。
「アマいバラケではいきなりウワズってしまうので、確実にウキをナジませながらタナを作っていきます。まずはそこから入って、その日の状況で、早く抜いていくとか、また抜くにしてもどの位置なのかを見極めていきます」

1. 基エサを仕上げる際、こうして下から掘り起こすように全体をかき混ぜ、大量のエアを含ませてやる 2. 別ボウルへと分けた基エサへと、たっぷりと水に濡らした手で揉み練りを加える 3. 練ってもお麩が立っているためバラケ性を損なうことはない 4. クワセは抜群に持つ「粘軽うどん」を硬めに仕上げた 5. しっかりめのバラケを小さくハリ付け。これで、決して上層のへらを必要以上にハシャがせることなく釣っていくのだ

1. 基エサを仕上げる際、こうして下から掘り起こすように全体をかき混ぜ、大量のエアを含ませてやる 2. 別ボウルへと分けた基エサへと、たっぷりと水に濡らした手で揉み練りを加える 3. 練ってもお麩が立っているためバラケ性を損なうことはない 4. クワセは抜群に持つ「粘軽うどん」を硬めに仕上げた 5. しっかりめのバラケを小さくハリ付け。これで、決して上層のへらを必要以上にハシャがせることなく釣っていくのだ

ナジミ幅の調整

武蔵の浅ダナは極めて難しい。そのことは重々承知の大越は徹底して小バラケを打ち返していった。大きめでは、途端に上層で「ガチャガチャ」になってしまい、まったく手に負えない状態へと陥ってしまうのだ。

指先で丸められたバラケはたっぷりとエアが入った状態である。でないと均一にバラけてくれないし、これがエアを抜いてしまったものだと持ちすぎの原因となり、さらにはカラツンを招いてしまうのだ。大越のエサ付けは、ハリのチモトを3~4回と軽くだが丁寧に整える。ハリ付けしようとしたバラケをもらい水中へと投げ込むと、水面へと浮き上がることなく、しばらくその位置で浮かんで停止した後、煙幕を引きゆっくりと落下していった。

大越のシンプルながらも的を射た対応に、大型べらが何度となく強引する

大越のシンプルながらも的を射た対応に、大型べらが何度となく強引する

次第にバラケの持ち方が悪くなる。ウキのナジミ幅がアマくなってきた。

「もう手強いへらが入って来ましたね」と、チモトを整える指圧の回数を増やした。ウキはナジみ込みながら「ユラリ」とサワられ、水面にはトップの先端から2目盛が残った。そこから1目盛がナジみ、「ジワリ」と、さらに沈没寸前にまで深くナジみ込む。指圧でこれだけ持つようになるのだ。その位置でウキは「フカフカ」とサワられつつ耐えていると、「ズバッ」と水面から強烈に消え去った。

これで、武蔵ご自慢の大型が勢いよく水面を割る。

「荒粒ペレット」

大越がブレンドした配合は「ナジミ幅の調整」がとても簡単である。
「持ちもいいけれど、抜けもいい。それがエサの付け方ひとつで簡単に調整することが可能なんです。セットの釣りでバラケが難しいと悩んでいる人はぜひとも使ってもらいたいですね」

が、これだけ丁寧に釣っていっても、さらに上層へとへらは厚く寄ってしまう。さらに指圧を加えたバラケでは、しばらくタナで耐えた後、「ジワリ」、また「ジワリ」とウキが上がってきた。
「上にはたくさんいますが、下にはへらの口がまったく足りない感じです」

へらの口をタナに向けさせるために、バラケの調整用として、「荒粒ペレット」25㏄を水25㏄で溶いたものを、前もって用意

へらの口をタナに向けさせるために、バラケの調整用として、「荒粒ペレット」25㏄を水25㏄で溶いたものを、前もって用意

アタリは遠い。

ここで水で溶いた「荒粒ペレット」を半つかみほど入れかき混ぜた後、15回ほど揉み練りを加えた。これを打ち込むことで、へらを強制的にタナへと下げていくのだ。ウキを深くナジませ続けていると、返し際に「カチッ」と落とされる。そして、竿は頻繁に曲がるようになった。

バラケが持ちすぎる、またはウキの動きが若干弱まってきたと感じたら、別ボウルに分けて残していた基エサを半つかみほど絡めることでバラケ性を復活させる。これでアタリを飛ばすことなく枚数を重ねていき、すぐに3連チャン。ここまで立て続けに釣ると、ハリストラブルの際に下ハリスを1cm詰めた。かなり微妙だが?
「いえ、これはなんとなく。気持ちの問題ですね」

が、それは確実にへらの強い寄りを感じての対応であることは間違いない。アタリは深い位置でバラケを持たせつつの「ズバッ」。決して派手な釣りではないが、1枚1枚を確実に釣っていくのだった。

「安定して釣っていった方が、釣果は望めます!」

「結局、こうして1日を安定して釣っていった方が、1日の中で釣れる波があるよりも釣果が望めます。不安定さはなにより釣りを難しくしてしまいますからね。安定させることによって、悩むことも少なくなるはずなんです。そして、安定させているからこそ、『ちょっとナジむ前にちょっと抜いてみようか』とか、さらに釣り込むための次なる対応が自然と見えてきます」

今日は、「上層へと厚く寄るへらをいかに程よく溜めておくか」というのが釣りのキモであるようだ。
「へらが多くなればさらなる小エサ、または指圧でもっと持つように調整。この適度な量をキープしてやれば釣れ続きます。その対応をとても簡単に出来るのがこのエサのいいところなんですよ」

「試しに」と、何度目かのエサ作りで、
「仕上げの揉み練り10回」を加えなかった。これでへらの反応を確かめてみると、ナジみ際に「フッ」と強くアオられるが、当然、ウキはナジんでもすぐに上がってくるようになり、アタらなくなってしまった。
「やっぱりアタってきませんね」

そこでバラケへと手揉みを加える。そして、下ハリスを25cmにまで詰めた。ウキは上層で強くサワられながらも深くナジみ、そこから「モワッ」と1目盛が返されて、「ズバッ」。短バリスの効果もあり、ここから一気にペースを上げていった。バラケは徹底的に持たせた方がいいのだ。ここまでを確かめると、大越の迷いは完全になくなる。こうして接近戦で釣っていくと、ナジみ込んで強くサワられながらの鋭いアタリで次々と仕留め始めた。そして、さらにそのペースは増していき、5連チャンを決めるのだった。
「ようやく、食い気があるいいへらがタナへと入って来ましたね」

上層のへらの寄りも厚くなり、時折、水面上に背ビレが見え隠れすることもあるが、その中でウキはしっかりとナジみ込む。
「フワッ、フワッ⋮ズバッ」

アタリは早く、とても明確。大越が目指す釣りがいとも簡単に完成することになった。

特集Ⅱ【春の一景祭】~その1 大越智章が新エサで武蔵の池を攻略~ 最後は「SB 彩雲」の生麩を差し込み、バラケ性を復活させる

ウキの動きが弱くなると、まずは基エサ、そして「SB 彩雲」を生麩のまま差し込むという手直しでバラケ性を完全復活させる。これで、最後までアタリ数を減らすことなく釣り続けた

生麩

狙いどおりの安定したアタリで釣っているし、もう後は微調整だけかと思われたが、午後にかけ魚の気配が弱くなる。残しておいた基エサを絡めたが、これでは粘り気が取りきれなかったようで、ウキの動きは好転しなかった。

そこで、手水を打ち「SB彩雲」を生麩のまま半つかみ絡めることで、少々持ちすぎるようになったバラケを大きくリフレッシュさせた。
「エアがふんだんに入った状態でフンワリ付けしても反応が弱く、ナジんでいってしまう。これが手直しのサインですね」

「SB彩雲」はバラケ性を大きく促進する。手直し用としてもとても使いやすいのだ。こうして、大越は新エサの使い方を披露しつつ、最後まで見事な釣りを見せてくれた。

「SB彩雲」、釣れます!