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へら鮒 2017年12月号 へら鮒
2017年12月号
話題のニューブランド「一景」で釣る!! 一景アドバイザー 伊崎哲魚と、大越章智が、三名湖で、釣りまくる!!

話題のニューブランド「一景」で釣る!! 今回は、一景アドバイザーを務める、伊崎哲魚と大越章智の2人が共演する。10月12日(木)、群馬県藤岡市にある三名湖において、舟と桟橋に分かれて釣りまくってもらった。伊崎は舟に乗り込み竿19尺竿いっぱいの両ダンゴ。ベースエサとしての「SD 蒼天」に「MD 粘りのダンゴ」を配合したネバリ気が強いエサを打ち込む。終始、エサをいじり、「セットダンゴ」や「バラケダンゴ」というバラけるエサを上手く使いながら釣り込んでいった。一方の大越は大土手桟橋で15尺竿いっぱいのタナをボソっ気が強いエサで釣る。持たなくなると、「粘軽うどん」を配合した「SD 蒼天」をシメエサとして差し込み、桟橋付近に居着く百戦錬磨のへらを相手に、次々と竿を絞り続けるのだった…

Photo by Katsuyoshi Oobai Photo & Text by Kazuaki Morotomi

取材協力:三名湖・光月
〒375-0037 群馬県藤岡市三本木377
TEL:0274-22-2278

広松久水産株式会社
〒 813-0018 福岡市東区香椎浜ふ頭2-3-24
TEL:092-672-1017
http://ikkei-jpn.jp/

いざき てつぎょ 1963年生まれ
父親の影響で幼少の頃からへら鮒釣りに親しみ、へら歴は45年というベテランでへら鮒釣り一筋。人一倍研究熱心で基本をベースに独自の理論を展開。野釣り場、管理池を問わず例会では数えきれないほど優勝しているが、中でも底釣りに関してはずば抜けた強さを誇り、誰もが一目置く存在となっている
ビッグへら鮒会 所属 月曜フィッシングクラブ 会長

おおこし あきとも 1968年生まれ
小学1年生から、池の大会によく参加していた。10年ほど前からまた本格的にへら釣りをやり始め、日研・勇水支部の会長はじめ会員の方々にお世話になっている。埼玉の釣り場を中心に釣行を重ねる

19尺チョーチンネバの小エサ

「SD 蒼天」に「MD 粘りのダンゴ」を配合した、比較的重めのネバエサがベスト! 伊崎哲魚

伊崎は1本オールでゆっくりと湖面を進みながら、例会組の舟付け具合を確認する。そして、空いている中央ロープの二の入江と金市田の間となる岬前へと入釣した。
「19尺でいきましょう!」

バッグから取り出されたエサは、秋晴れの三名湖の風景にさらなる彩りを加える「SD蒼天」と「MD粘りのダンゴ」。その配合は…。

●「SD蒼天」480cc
●「MD粘りのダンゴ」120cc
●水160cc

手を熊手状にして30回ほどかき混ぜ、しばらく放置し使用。タッチはしっとりめのヤワネバ。
「エサ作りの注意点としては、『SD蒼天』、『MD粘りのダンゴ』とも、粗めのお麩が入っているため、しっかりと水分を吸収させてやることです。お麩が水分を吸収しきらず、まだ軽いままだと浮いてしまい、魚がウワズってしまいますからね」

2品の配合と、とてもシンプルなエサ使いであるが、「MD粘りのダンゴ」をブレンドする理由とは?
「この『MD粘りのダンゴ』はちょい重めの粘るエサ。『SD蒼天』よりはタテ方向にバラけるお麩が多いし、深いタナの場合だとこの比重と粘り気を利用してエサを確実にタナまで届けてやります。まずはこの配合でウキが入るかどうかを確認し、そこからは魚のやる気や寄り具合にエサを合わせていくんです。例えば、ウキが『フカフカ』して魚が寄り過ぎならば、『MD粘りのダンゴ』の量を増やして魚を落ち着かせてやるし、逆に、ウケも弱くウキがすんなりと入ってしまうようならば『SD蒼天』を増やします」

そのエサはネバが強い、そしてなおかつ小エサである。
「ボソから入って手水で調整していくという手段もありますが、今はボソの大エサを打って寄せるという必要があまりないと感じています。まして、深いタナを釣っていく場合では、いきなりウワズらせてしまうという危険性が高い。そうなると比較的重めのネバで入れていくのがベストなんです」

ウキ「かわせみ PCムクトップ」「へらの三水」オリジナルウキでカヤボディ5cm。エサ落ちは2目盛沈めに設定 道糸0.8号 ハリス0.4号 40-50cm ハリ「ダンゴヒネリ」5号

●「SD 蒼天」を主体に、「MD 粘りのダンゴ」で比重と粘り気をつけたのが伊崎のベースエサである。水分をしっかりと吸収させることがキモ
●エサの大きさは1円玉大。「小さいよ。浅ダナのエサみたいでしょう」と、エサを角張らせて付ける(水の抵抗で入りが遅くなる)こともなく、作り上げたエサの持ち具合をそのままに、魚の反応を見ていく

伊崎はネバの小エサをテンポよく打ち込んでいった

伊崎は純粋なるエサの特徴や比重で釣っていくために、決して大き過ぎるエサは打たないし、さらには故意にバラけさせるようなラフ付けをすることもない。

エサを打ち込むと、ウキは「スクッ」と立ち上がり、エサ落ちから3目盛、そして4目盛とすんなりとナジみ込んでいった。エサはしっかりと持っている。そして、3〜4投もすると動き出した。
「弱いですが、もう『モゾモゾ』と押え込んでいますね」

ナジみきったウキが小さく上下動を繰り返す。さすが抜群の魚影を誇る三名湖である。伊崎が注意したように、この状態でいきなりバラけさせてしまっては、へらは騒ぐだけ騒いでしまい、最初から状況を把握することも出来ずに釣れないで終わってしまうことだろう。

湖面にはトップ先端から2目盛が残る。そしてこの深い位置から「ズバッ」と消し込んだ。

へらの活性はすこぶる高い。
「上層から6mラインで水温差はまだ1℃しか変わらないからね」

さらにへらの寄りが厚くなってくると、丸めたエサを指先で「コロコロ」と転がし表面をコーティングしたものを打ち込む。ウキは肩で強くウケられながらも、なんとか3目盛残しという深いナジミ幅を維持した。

数枚を釣り込むが、どうしてもナジんでからのアタリは出たり出なかったりと不安定。アタっても弱く乗ってこないことが多かった。へらは上に厚く、まだタナに入って来ない状態だ。

ウキは「淳作」のPCムクトップを使用。ヤワの小エサ使いを基本としているだけに、PCムクトップで食い頃のエサをそのままタナへと届けることが求められるのだ エサは一景「SD蒼天」480㏄、「MD粘りのダンゴ」120㏄、水160㏄ 三名湖、中央ロープ(二の入江と金市田の岬前) ウキ「淳作」ボディ13cmのPCムクトップ エサ落ち11目盛中、3目盛沈め 道糸0.8号(フロロ) ハリス 0.4号 55-75cm ハリ「アクト」上7号、下6号 竿19尺

ウキは「淳作」のPCムクトップを使用。ヤワの小エサ使いを基本としているだけに、PCムクトップで食い頃のエサをそのままタナへと届けることが求められるのだ
エサは一景「SD蒼天」480㏄、「MD粘りのダンゴ」120㏄、水160㏄
三名湖、中央ロープ
(二の入江と金市田の岬前)

小エサを深くナジませ、強いアタリだけを取っていく。 「セットダンゴ」で、粘り気が強いエサのバラケ性を増し、軽くする

伊崎はエサをいじりながら釣っていく釣り人。水分吸収に優れた上質な麩を使用する一景のエサは、とことんまでいじり、完璧に合わせることが出来る

アタリが持続「セットバラケ」

「ウケてからの『チャッ』という早いアタリは取らないで、狙うのはしっかりとナジんでからの強いアタリです。これはどんなタナで釣りをやっていても同じで、まずは自分が思った位置まできちんとナジませて、そこから釣りを組み立てていきます」

伊崎はアタったからと、なんでも喜んでアワせることはなく、しっかりとタナを作っていく。強いウケもあるし、魚はもうかなり集まってはいるが、決めのアタリがどうしても弱い。
「もう少し強めに入って欲しい」

ここでエサへと軽く手水を打ち、さらにしっとり感を出した。今イチ入りが悪いので、軟らかくし食い頃のエサへと早く近づけてやるのだ。

秋は水温の変化にへらの食いが大きく左右されるが、まだ冷え込みも弱く活性は高い状態をキープしていた。しかしながら、エサが合わないと一気にカラツンとなってしまうという微妙な難しさがある中、伊崎は次々と竿を絞った

秋は水温の変化にへらの食いが大きく左右されるが、まだ冷え込みも弱く活性は高い状態をキープしていた。しかしながら、エサが合わないと一気にカラツンとなってしまうという微妙な難しさがある中、伊崎は次々と竿を絞った

ナジみ際に「フカッ」とウケられ、「チャッ」と小さく落とされたが、「あれはスレる」と徹底して手を出さない。そして、そこから3目盛がナジんだ直後に「ダッ」と強く入ったアタリに、「待ってましたと」ばかりに鋭くアワせを決めた。強いサワリの中でも、「SD蒼天」&「MD粘りのダンゴ」は確実に持つため、「持たないか?」と疑うことなく、確信を持って次のアタリを待ち構えることが可能なのだ。
「例会など実戦の中で色々と試したんだけれど、この『SD蒼天』と『MD粘りのダンゴ』の比率は4対1の配合がとてもいいんですよ」

深い位置からの消し込み気味の強烈なアタリで、良型を次々と乗せていく。これでアタリは持続した。
「朝方は特に、しっかりとナジミ幅を出して釣り込んでいった方が絶対にいい」

小エサをタナで耐えさせてアタらせるているだけに、そのヒット率は非常に高い。「ドカッ」と入って空振ってしまうのはもう糸ズレと割り切れる。ちゃんと食っているのであれば間違いなく釣れてくるというわけだ。

「MD粘りのダンゴ」でほどよく持たせるということに注目しがちだが、完璧なるベースエサとしての「SD蒼天」について伊崎はこう話してくれた。
「とにかく作りやすい。まとまりがいい。自分の場合は手水で調整しながら釣っていくんですが、その調整が自由自在。これは一景のエサ全般に言えることなんですけれど、エサを動かしながら釣り続けることが出来るんです」

へらの寄りがさらに厚くなると、深い位置からのアタリでもスレが多い。
「ウケたところから『ドカッ』といかないんですよ」

この状態に再び手水を打ち、「セットダンゴ」を半握りほど絡めバラケ性を増して軽くすると、高い位置からウケられたウキは消し込み気味に湖面から消し去られた。そして、丸々としたキロ級の魚体が湖面へと浮かび上がった。こうして状況を見極めながら、特徴あるエサで手直しし、枚数を重ねていく。

開きを抑えたエサには、もうすっかりエサ慣れしてしまったため、「セットダンゴ」240㏄ 「MD 粘りのダンゴ」240㏄ 水160㏄ 「SD 蒼天」120㏄という、開きが強いエサを作り、開くエサ、開きを抑えたエサを打ち分けて釣る。強い流れがつくと、「バラケダンゴ」で開きを調整。 伊崎が「バラケダンゴ」に求めたものは、ほどよいバラケ性。流れの中では、バラけ過ぎではへらの口は肝心のエサ玉から離れて、遠巻きになってしまう

「粘軽うどん」「バラケダンゴ」

寄りはさらに厚くなる。ナジみ際にどうしてもウキがつっかえてしまい、食い頃のエサが持ったり持たなかったりしてしまうためハリスを5cm詰める。しかし、この対応でも安定してアタリはもらえなかった。そこで、エサへと「粘軽うどん」を少々(2~3cc)を振りかけてかき混ぜ、ハリ持ちをよくする。これで4~5枚をパタパタと釣り込んだ。風流れもついてきたため、開き具合を極力抑えることで安定してアタらせていくのだった。が、今イチ、釣り込めない。そこで以下の配合でエサを作り替えた

●「セットダンゴ」240cc
●「MD粘りのダンゴ」240cc
●水160cc
ボソっ気がある軟らかめに仕上げた後に「SD蒼天」120cc

この配合の意図は?
「もう開かないエサを見られてしまってる。しっかりとナジみきった位置から強くアタって乗っていたのが、ことごとく乗らなくなりました。すっかりエサ慣れしてしまった状態ですね」

伊崎はこの開くエサと、今まで使っていた開きを抑えたエサを打ち分けていくという作戦に出た。カラが出ればバラけて開くエサで早く食い頃に仕留める。ウキが強くサワられ出したら抑えたエサで釣り込んでいく。

開きを抑えたエサは、少々ピンポン気味にウケられながらも湖面に1目盛残しと深くナジみきった。開くエサは3目盛残しとナジミ幅は幾分アマい。ただバラける分、エサはピンポンされないようだ。が、このバラケ性が強いエサではウキは強く動くがアタリは散漫。そこで、手水を打ち「SD蒼天」を差し込んでいく。

完璧に抑えたエサではもう反応しない。かといってバラケ性が強過ぎるとへらはハシャいでしまうだけ。エサをシメてへらのハシャぎを落ち着かせていくと、ナジみきった瞬間に「カチッ」とアタって乗って来た。
「エサを無理に入れていってもどうしてもカラツン。もう激カラ。だからとアマくしてしまうと、今度は急所で持たなくなってしまいます」

そこで、手直ししてちょい硬めにはなったものの、「SD蒼天」の生麩を利用し、ダンゴをタナで膨らませてへらへと猛アピールしてやるのだ。そして、エサは最初から徹底して小エサで釣りとおした。
「大きく付けてしまうとなかなか食い頃にならないばかりか、へらの寄りを無駄に厚くし過ぎてしまいますからね」

19尺竿で50枚を釣った伊崎は、竿を15尺に替えた。ウキは番手をひとつ下げ、ハリス長は45-60cmに設定。エサは「SD蒼天」でシメたちょい硬めを続けて打っていくが、このタナはどうもウキの動きが鈍かった。すると、今度は「バラケダンゴ」を差し込む。これは?
「まとまりよく、やや比重もあるエサで、バラケ性をあまり強くしたくない時に有効になります」

流れがついてしまうと、やはりへらの口がエサ玉から離れてしまいアタリが遠くなってしまうもの。それでも、バラケ性を抑えたエサではもう反応してくれない。そんな状況下で、伊崎はエサをいじりながらバラケ具合をコントロールすることで、しぶとくアタらせ7~8枚を追釣するのだった。

ボソっ気良型を狙う

「SD 蒼天」、「MD 粘りのダンゴ」、そして「セットダンゴ」を配合した、ボソっ気があるカタネバでへらを寄せきる!大越章智

大越のベースエサはこの3品。大越の釣りの生命線であるボソっ気を、 「セットダンゴ」で出す!

大越は大土手桟橋の奥で頻繁に竿を絞っていた。竿15尺いっぱいの両ダンゴ。早朝から快調な釣れ具合だった。
「数を釣るなら浅ダナですが、チョーチン釣りでいい型を釣りたいですね」

大越の釣行はほぼ週末の混雑時となる。だけにネバエサの伊崎とは対象に、ボソっ気が強いエサをガンガンと打ち込んでいく。そのエサ配合は…。

●「MD粘りのダンゴ」1
●「SD蒼天」2
●「セットダンゴ」水1
●水1
「SD蒼天」を軽めに1

エサ作りのコツは水を入れよくかき混ぜた後に5分ほど放置し、お麩全体に水分をしっかりと吸収させることである(下段、参照)。

大越のエサはボソっ気があるカタネバだ。
「『SD蒼天』をベースに、深いタナでも持つように『MD粘りのダンゴ』を配合。そして、適度なバラケ性と粘り気を持つ『セットダンゴ』を配合しました。このボソっ気が強いエサでまずは魚を厚く寄せきり、それからエサを軟らかくしていくんです。もう両ダンゴの釣りも終盤ですが、三名湖はまだ大変よくウキが動きます。桟橋は特にへらが厚く寄りますが、高い位置のアタリで釣り込むのではなく、深くナジませ『ダッ』と強くアタらせながら良型を釣っていきます」

チョーチン釣りらしいダイナミックなウキの動きで釣り込みたいというのが狙いだ。

大越がお世話になっている入間市にある「へらの
三水」オリジナルウキを使用。オーダー品のPC
ムクトップで「大越」のネーム入りである エサは一景「MD粘りのダンゴ」1、「SD蒼天」2、「セットダンゴ」1に水1、「SD蒼天」1 三名湖、大土手桟橋 ウキ「へらの三水オリジナル」ボディ13cmのPCムクトップ エサ落ち11目盛中、3目盛沈め 道糸0.8号 ハリス 0.4号 55-65cm ハリ「バラサ」7号 竿15尺

大越がお世話になっている入間市にある「へらの三水」オリジナルウキを使用。オーダー品のPCムクトップで「大越」のネーム入りである
エサは一景「MD粘りのダンゴ」1、「SD蒼天」2、「セットダンゴ」1に水1、「SD蒼天」1
三名湖、大土手桟橋

水に濡らした指先でつまみながら粒子を潰すことなく圧を加える 1.「MD 粘りのダンゴ」1、「SD 蒼天」2、そして「セットダンゴ」1 を入れる。入れた後、粉の状態でよく撹拌 2. 水1 を入れ、下から起すように20回ほど丁寧にかき混ぜ、しっかりと水分を吸収させるため5分ほど放置 3. 放置後、エサへと「SD 蒼天」を軽く1杯入れ、もう一度丁寧にかき混ぜエサのダマをとり綺麗なボソに仕上げる 4. 小分けし、水を付けた指先でつまみながら圧を加える。これを押し練りしてしまうと、お麩の粒子が潰れて膨らまないエサとなってしまうので注意 5. カタネバながらも強いボソっ気があるため、膨らみが強くへらの食い気を誘う 6. 丁寧なエサ付

1.「MD 粘りのダンゴ」1、「SD 蒼天」 2、そして「セットダンゴ」1 を入れる。入れた後、粉の状態でよく撹拌 2. 水1 を入れ、下から起すように20回ほど丁寧にかき混ぜ、しっかりと水分を吸収させるため5分ほど放置 3. 放置後、エサへと「SD 蒼天」を軽く1杯入れ、もう一度丁寧にかき混ぜエサのダマをとり綺麗なボソに仕上げる 4. 小分けし、水を付けた指先でつまみながら圧を加える。これを押し練りしてしまうと、お麩の粒子が潰れて膨らまないエサとなってしまうので注意 5. カタネバながらも強いボソっ気があるため、膨らみが強くへらの食い気を誘う 6. 丁寧なエサ付

小分けしたエサへと指先で圧を加えていくが、大越いわく「一景のエサはとてもいいお麩を使っているため、軽い状態を維持する」という。そして、その軽めのエサを最大限に活かすため、ウキはPCムクトップ。

タナより上にエサを攻撃してくるへらがとても多い。タナに入れるためには無駄なバラケ具合をなくし、素直なへらをタナへと呼び込むことが必要となるが、大越は徹底してボソっ気が強いエサを、躊躇することなく打ち込んでいくのだった。
「チョーチンは地合を作ってなんぼのものですからね」

この攻撃的な釣りにより、目先の1枚に捉われることなく、タナへとコンディションがいいへらをたくさん集めた上で釣り込んでいくのだ。 この男らしい釣りが決まり出す。

手慣れた居着きべらとの攻防。「粘軽うどん」を配合した「SD 蒼天」で、練ることなく確実にタナまで持たせる。そして、イレパクに!大越の釣りは、Simple is Best

桟橋での釣りはさすがにへらの寄りが厚すぎて、釣っても釣っても中型のへらとなってしまったが、そんな状態でもエサはしっかりと持った

蒼天+粘軽うどん決して練らない

ウキの肩で「フカ、フカッ」と強くウケられる。そのウケは長く、トップの付け根からなかなかナジんでいかないほどだ。

エサ落ちから1目盛と、ナジミ幅はアマい。エサを持たせるには、基本的に手水とつまみ練りで対応。いきなり軟らかくし過ぎないで、ウキの動きを確認しながら徐々に徐々にと手直しを繰り返していった。ギリギリの接点を探っていくのだ。

エサ落ち付近で「チクッ」と小さくアタるが、これには完全無視を決め込む。深い位置までナジませつつの強いアタリを取っていった。

しばらくイレアタリで竿を絞っていたが、さらなる寄りにエサが狙いの位置まで持たなくなってしまう。そこで「SD蒼天」1に対して「粘軽うどん」を耳かき2杯程度の少量を配合したもの。このエサでシメて確実に持たせてやる。
「粘りの強いエサはカラの原因になるので、なるべく練ることは避けて、お麩が立った状態を保つことを心掛けていくんです」

その「練らない」ためにも、この「蒼天+粘軽うどん」という、シメエサがとても有効な働きを見せてくれるのだ。

ウキは肩で突き上げられる。さらにウケは強い。これは大丈夫なのかと心配していると、エサ落ちから1目盛の位置で止められた。今まではここでエサが負けてしまっていたが、そこから2~3目盛とナジんでいき、「ズバッ」と強烈に落とされた。明らかに持ち方が違う。

大越は再びイレパクにしてしまった。

練ってエサの粒子を潰さず、
無理なく食い頃のエサをタナへと届ける!

大越が「より簡単に釣れるように」と、勧めるのが、「SD 蒼天」1に対して即席ウドンの「粘軽うどん」を耳かき2杯程度の量を入れてたもの。練り込みお麩の粒子を潰すことで無理矢理に持たせたエサでは、どうしてもカラツンとなってしまう。そこで、「粘軽うどん」の強い粘り気を使用することで、粒子同士をくっつけて持たせるのだ。思うよりも手にベタつくような強い粘り感がなく、それでさらに持つエサとなるのが嬉しい

どうしても納得する型が釣れないため、18尺竿でさらに深いタナを攻める。「SD 蒼天」と「セットダンゴ」の生麩を絡めイレパクに!!

生麩を絡める18尺もイレパク

15尺竿で釣れるには釣れるが、大越が満足する型が現れない。

「どうも中途半端なタナはよくないみたいなので長くしてみます」と、竿を18尺に替える(タックルとエサはそのまま)。このさらに深いタナでの釣りは、当然、難しくなりそうだが、大越は見事に決めるのだった。

深くなっても、ウキは同じくしっかりとしたナジミ幅を出す。打ち始め、空振りが続くと、「SD蒼天」をひとつまみパラパラと生麩を絡める。
「1回目のアタリでもカラ、それを送って2回目でもカラだったんで、ちょいネバリ過ぎていますね」

徹底して深い位置でのアタリにこだわりながら、「さらにタナが深くなり小手先では通用しない」と、エサそのものへと手直しを加えていく。この生麩が効いた。2投後、ナジみ込みに「ズバッ」と強烈なアタリが出た。竿は大きな弧を描き、狙いの良型が湖面を割った。

「もう少し開きが欲しい」と、次は「セットダンゴ」を振り掛け絡める。これで高い位置から「ズバッ」とウキは落とされた。しかし、基本はナジんでからのアタリ返しだ。

ハリスを5cm詰める。比較的硬めのエサでアタらせているのだが、エサが持てばアタるものの持たないことも多くなってきたのだ。この対応でアタりっきりとなる。竿は良型交じりで次々と曲げられた。
「本当ならばもっと強烈なアタリで釣っていきたかったのですが…」

厚過ぎるへらの寄りに、深い位置のアタリで釣るのはさすがに厳しくなってしまったが、今日の状態ではこれが最善であったことだろう。

なにより大越のモットーである、「より簡単にたくさん釣っていく」というスタイルが全面に出た、とても素晴らしい釣りであった。

「一景のエサは初心者からベテランまで、とてもやさしくエサが作れて、その上、簡単に釣れるんです!」大越はこのコンセプトを胸に、さらなる使いやすい配合を、日々研究し続けている!

対談。
舟、桟橋と釣りまくった2人が、一景のエサについて語り合う。

最後に、釣りを終えた伊崎、大越の両アドバイザーに、一景のエサについてのミニ対談を行ってもらった。ネバ系、ボソ系と、両者のエサ使いは違えど、釣るために最終的にたどり着くゴールはほぼ同じだったように感じる。

まずは、「最強のベースエサ」と位置づけられている「SD蒼天」から。

伊:自分の場合は「SD蒼天」4、そして違うエサを1というのが絶対の基本エサ。

大:ボソっ気あるベースエサとしては、後から「SD蒼天」を入れてやるのはとてもいいですね。

お2人とも「MD粘りのダンゴ」を配合されてましたが?

伊:粘りと比重があり、深いタナではどうしても必要なエサです。

大:「SD蒼天」だけだとどうしても軽いんですよ。でも、その軽さがこのエサの最大の特徴なんですけれどね。

「MD粘りのダンゴ」の粘りと比重、そのどっちを重視している?

伊:重さ、比重。

大:比重です。でもそうは重たくない。本当に重たくしたいなら「DD底餌クロレラ」を入れることになります。

さて、ひとつ進んだエサ使いとして、これまたお2人とも即席ウドンの「粘軽うどん」を使用されました。

伊:粘りが強く開きを抑えられます。

大:なるべくエサをいじることなく簡単に釣りたいというのがあって、お麩が立った状態を維持し、強く魚に反応させながら釣ることが出来るんです。

伊:無理に持たせようとお麩の粒子を潰してしまうと、魚の反応は途端に弱くなってしまう。

大:サワリが弱く入ってカラツンになりますよね。

「セットダンゴ」は、伊崎さんが追い足し使い、大越さんは最初から配合していました。

伊:「セットダンゴ」は一景のエサの中で、作った時に一番軽いと感じる。開きをよくするという意味もあるけれど、「エサに軽さを出す」という意味合いが大きいかな。そして、ちょっと「ムチッ」としたタッチになるよね。

大:最初から配合してバラけさせるというよりも、「エサの目詰まりを起させない」ということです。この目詰まりがカラツンの最大の原因だと思っています。 伊崎さんは最後の最後に「バラケダンゴ」を差し込んで釣りました。

伊:「粘軽うどん」を入れたエサは持つけれど、どうしてもペトッとしてしまうので、粘ってしまったエサへ手水を打ち、この「バラケダンゴ」を差し込み、ほどよいバラケ具合に調整しました。一景のエサは戻しエサとして復活させることが可能なんです。エサは捨てることなく、最後まできちんと使ってやりたいですしね。

大:このエサは自分の場合、伊崎さんの「セットダンゴ」のイメージなんですよ。エサを軽いままでリフレッシュさせることが出来ますよね。 最後にシメエサとしての「SD蒼天」について。

伊:軟らかめで小エサが通用しないと、エサを硬めに調整して強いアタリを出してやります。軟らかめでカラをくらっている時には意外とカタボソがいい時があるんです、そんな時に「SD蒼天」は最高のシメエサとなります。

大:軽くすることが出来て適度な粘りを持つ。ベースエサ、そしてシメエサとして「SD蒼天」は使い勝手が幅広い。だからこそ信頼しているエサでもあります。シンプルなエサ配合で釣れるに越したことはありませんし、自分が目指しているのもそこ。とにかくこの「SD蒼天」を全面に出して多く使っていきたいですね。一景のコンセプトは「誰でも簡単によく釣れる」で、その代表的なエサがこの「SD蒼天」なんです。

伊:確かに、そう! 年々、エサは軽くないと釣れないように感じているし、「SD蒼天」の役割はとても大きい。

大:まずは落下速度をゆっくりとしへらにアピールする。それがダメなら重くしていけばいい。

伊:一景はいじれるエサだけど、いじらなくても、例えば「SD蒼天」単品でもいける。そして、どのエサでも吸水性に優れている。ということは作りやすい、よくまとまるエサだということ。これが「初心者からベテランにまで誰でも簡単に使える」ということにつながっているんです。

大:まずは「SD蒼天」をベースにしておけば間違いないですよね!

伊:そのとおり!1日釣りをした疲れもなんのその、この後も、一景アドバイザー2人の話はさらに盛り上がりを見せた。色々と貴重な話もたくさん聞けたが、それはまた次の機会に紹介することが出来ればと思っている。