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へら鮒 2017年9月号 へら鮒
2017年9月号
話題のニューブランド「一景」で釣る!! 早いアタリでガンガン釣り込む吉田新太郎が登場 両ダンゴの釣りは指先を研ぎすませ! SD蒼天 単品使いで、びん沼川に挑む

話題のニューブランド「一景」で釣る!!話題のニューブランド「一景」で釣る!!今回は、一景アドバイザーを務める吉田新太郎が登場する。7月13日(木)、へら鮒王国・埼玉を代表する釣り場、びん沼川へ。新エサ「SD 蒼天(そうてん)」を使い浅ダナで釣り込む。吉田は早いアタリを取っていく。その速攻の釣りに、「SD 蒼天」の特徴でもある、「軽さ」と「粘り」が完璧にマッチしているのだ。砂塚橋下流で15 尺竿タナ1本半。タナやハリスはほとんど動かすことなく、とことんまでエサを合わせて釣っていく。吉田はこと両ダンゴの釣りに関してはまったく妥協はしない!

Photo by Ooba Katsuyoshi , Photo & Text by Kazuaki Morotomi

取材協力:埼玉南部漁業共同組合
〒330-0802 埼玉県さいたま市大宮区宮町2-47
TEL:048-642-5706

広松久水産株式会社
〒813-0018 福岡市東区香椎浜ふ頭2-3-24
TEL:092-672-1017
http://ikkei-jpn.jp/

竿15 尺タナ1本半に、「SD蒼天」を打ち込む!

「蒼天」単品一番早いアタリ

午前5時過ぎにびん沼川の砂塚橋へと到着したが、平日にも関わらず、もうすでにたくさんの釣り人がズラリと並びエサ打ちを繰り返していた。さすが、へら鮒王国・埼玉屈指の超人気釣り場である。その風景に吉田も興奮を隠しきれない。
「さすがだよね。よし、早く釣ろう。でも、もうかれこれ、釣り台に座るのは10年振りくらいかな?」

いつもの冗談か? それとも本当のことなのか、吉田の飄々とした口調からは判断しづらかった。

砂塚橋下手のさいたま市側へと釣り座を構え釣り支度を開始。すぐにねっとりと肌にまとわりつく蒸し暑い空気に包まれると、吉田の額からは汗が流れ落ちた。竿の長さを少々迷ったが、荒川本流から流入する大型べらも視野に入れて15尺竿を継いだ(タックル図参照)。タナは1本半ほどだ。そして、エサは当然、両ダンゴ。

「とてもいいエサだよ!」と、吉田が太鼓判を押す「SD蒼天」が護岸に3袋置かれた。単品で釣り込むのだ。

砂塚橋周辺はびん沼川の中でも人気のポイント。釣り人がズラリと並んでも竿は10 尺も出せばアタリがもらえる。吉田は久しぶりに釣り台に座り、「SD 蒼天」が作り出すフットワークがいいウキの動きから、鋭いアタリを取っていく

●「SD蒼天」4に水1

作り方はいたってシンプル(下段参照)。まん丸に丸められたエサは直径1cm強。そのエサのセンターへとハリが埋め込まれる。この丸さを極力崩すことがないように、チモト部分は指先を立て本当に軽く整えるだけだった。ウキのエサ落ち目盛の調整もそこそこにエサ打ちを開始。こうして実際にエサを打ち込みながらエサ落ち目盛を微調整をしていくのが吉田流だ。ウキは数回のエサ打ちで2目盛沈めに調整された。すこぶる魚影が濃いびん沼川といっても、そこは野釣り場である。こうして、いち早くへらを寄せることは釣るための大事な第一段階なのだ。
「自分の場合は野釣りでも管理池でも、どこの釣り場でもこうしている。その上、一景のエサはとても高い集魚力を持っているからね。ウキは本当にすぐに動くよ。釣れる釣れないは別にして、とにかく3投でウキは動く。どこの釣り場でもそうなんだ」

吉田は「一景」の集魚力にはいつも驚かされていると言う。

その言葉のとおり、ウキには早くもサワリが出る。エサ落ち目盛から「ジワリ」と1目盛がナジむと、ひと呼吸おいて「カチッ」と落とされた。
「基本中の基本として、パイプトップのウキでは2目盛ナジミで、そこがタナでの一番早いアタリが出る位置」

だからこそ高い位置から強いウケ、そしてサワリを強く出させることが必要となる。もちろん、これは両ダンゴの釣りの基本。

エサはまん丸が基本。その理由は「バラケ性を均一にしてやらないと、どうしてエサが持たないのか(持ち過ぎるのか)が分かりづらいから」と、吉田

エサはまん丸が基本。その理由は「バラケ性を均一にしてやらないと、どうしてエサが持たないのか(持ち過ぎるのか)が分かりづらいから」と、吉田

ウキ「淳作」浅ダナ用でボディ6㎝のパイプトップ エサ落ちは2目盛沈めに設定 道糸1.2号 ハリス0.5号 30-45cm ハリ「バラサ」6号 竿15尺

エサは一景「SD蒼天」4に水1
びん沼川・砂塚橋下流
竿15尺タナ1本半の両ダンゴ

へらの寄りは確かに早い。もういきなりサワりっくりだ。そして、毎回のようにアタってくる。2枚が釣れたが、このカラツンに吉田は大きく頷く。
「当然、まずはカラツンです。このカラツンにも2通りあって、浅ナジミからのカラツンはエサが持っていないから。そして深ナジミからのカラツンは、エサが持ち過ぎているからなんです」

もちろん、吉田は前者。
「自分の場合はエサを上から合わせていく釣りですからね」

吉田の釣りは速攻型。それも妥協なき速攻の釣りが信条である。そして、その究極ともいえる釣りが、この「SD蒼天」単品で可能となるのだ。
「寄せることを兼ねて、アマめのエサを持たない方向から合わせていく。そして、まずはカラツンをもらい、そこからはエサを指先で『コロコロ』と転がして表面を整えてやります。あくまで綺麗にまん丸くエサの表面を整えることでバラケ性を均一にしてやることがキモ。そうしないと、どうしてエサが持たないのかが判断しづらい」

話題のニューブランド「一景」で釣る!! 速攻の釣りが信条の吉田は、強くウケさせるための軽さと、持たせるための粘り気を求める。そのエサ作りは、いたってシンプル!!「SD 蒼天」4 に水1

エサを合わせる時にラフ付け

続けて3回のカラをもらう。

エサが急所で持っていないのだ。吉田の左手の指先は、5回、6回とエサ玉を器用に転がす。ウキの肩で強いウケの後、2目盛というナジミ幅が出た直後、「ズバッ」と鋭いアタリ。これを出し、3枚、4枚と8寸級を釣り上げていく。

さらにへらの寄りが厚くなる。こうなると、もう少し短めのハリスで釣っていくことも可能だと思うが、このままのハリス長でエサ打ちを続けた。あくまでエサを合わせて釣っていくのだ。そして狙いは早いアタリ。吉田は、こと両ダンゴの釣りに関しては頑固過ぎるくらいに頑固だ。自分の理想をとことんまで突き詰め追い求める。
「ハリスを短くしてしまうと、どうしてもエサが速く入ってしまいます。その分、ナジミ幅が多く出てしまう。自分の釣りはウキのトップの中で一番早いアタリで釣っていくことを目標にしているんです。ウキがナジみきってからのアタリで釣っていっても意味がありません」

たとえ、深くナジんだ位置で釣れても、次投からはまた寄せるためのエサ打ちが必要となってしまう。このことは野釣りでは顕著で、これではアタリが持続しない。

「自分の釣りは、ウキのトップの中で出る、一番早いアタリで釣っていくことを目標にしています」

早いアタリでガンガンと釣り込んでいると、さすがにへらの寄りが薄くなってきた。すると、今までエサを綺麗に丸めていたのを、ハリ付けの際にチモトを2回押さえつけてエサを角張らせた。
「今のようにへらが薄くなってしまった時や、型を狙っていく時などは、エサをペンペンしてやります」

「ペンペン」とはなんとも可愛らしい表現だが、このラフ付けでへらの寄りを確保するのだ。エサは作り立ての比較的硬めから手水が打たれていて、軟らかめへと調整されているだけに、軽く押えつけるだけでエサのチモト部分が大きく変化した。そして、そのエサがきちんと持つということが「SD蒼天」の大きな強み。これで寄せながらも頻繁にアタリをもらうことが出来た。こうしてラフ付けで魚の寄りを確保すると、またしても指先で3~5回の間で「コロコロ」と転がし、今度は確実に仕留めていくのだった。

へらの量が薄くなったと感じると、綺麗なまん丸エサ付けから一転、吉田はハリのチモト部分を2回押さえつけ、エサを角張らせたラフ付けを打った。このエサ付けは完全に寄せることが目的なのだが、持ちがいいためそれでも頻繁にアタってきた

へらの量が薄くなったと感じると、綺麗なまん丸エサ付けから一転、吉田はハリのチモト部分を2回押さえつけ、エサを角張らせたラフ付けを打った。このエサ付けは完全に寄せることが目的なのだが、持ちがいいためそれでも頻繁にアタってきた

吉田はダンゴマンだけに、「エサを触る手」を重要視している。
「竿を持つ手が右の人は左手でエサを作って欲しい。左は世界を制します」

ボクシングの格言そのものだが、それだけエサを触る手の感覚をいつも研ぎすましながら釣りをすることが必要だと言っているのだ。
「エサの生麩の粒子感も分かりますしね。一流と呼ばれている釣り人はみんなそうしているでしょう。では、このピアニストのような私の繊細な指で…(笑)」と、「SD蒼天」単品をもうひとボウル作った。

出来上がったまだボソっ気あるエサへと手水を打ち、しっとりめに調整。そして綺麗に丸めたエサを綺麗な落とし込みで打ち込む。
「チョーチン釣りでも、浅ダナでもエサ打ちは完全に落とし込みです。これは釣るための必須条件。これを無意味に振り切ってしまったら、振り切った位置へとへらが寄ってしまい、釣るためのタナへとへらが薄い状態になってしまいます。それでは魚をタナに溜めて安定したアタリで釣ることは出来ません」

水深がそこまで深くない分、野釣りといえども魚はかなり上っ調子となる。周囲の釣り人を見ても、タナは1mを完全に切って釣っているのだが…。

1本半という「ちょい深めのタナ」から、ひと回り大きなへらを引き抜く

1本半という「ちょい深めのタナ」から、 ひと回り大きなへらを引き抜く

ダンゴマン吉田新太郎は…
単品を徹底的に使いこなすことで、エサの特徴を指先で感じ取る。すべてはそこから!

正面からの強風手水を打つ

「普段はメーター規定の管理池でやっているんで、今のタナから上げてもメーターダナまで、このタナへと魚を凝縮して釣っていきます」

もちろん、これも吉田の流儀。メーター以上のタナを取り、その中でいち早いアタリを取るべくエサを調整していくのだ。

次第にナジミ幅が3目盛、4目盛と深くなる。エサが必要以上に持ち出すと、当然、カラが増える。そこで、エサへと手水を打ち、さらに軟らかくすることでバラケ性を増していった。その調整はいきなりではなく、水に浸した左手でエサをかき回すという、とても慎重な手直しを繰り返していくのだった。ダンゴエサでは、そのタッチの微妙な変化でいきなりサワリすら出さなくなってしまうことも多い。そのため手直しは慎重に段階を踏んで、ウキの動きを確認しながら行うことが必要となる。

ヒット率が高くなる。さらには釣れてくるへらもひと回り大きくなり、時に傷ひとつない尺上が顔を出した。なんと「SD蒼天」の単品使い、それもエサの硬軟だけの調整で、吉田はここまでにしてしまったのだ。これは凄い。

ここまでくればもうアタリが途切れることはなかった、吉田はそれでもまったく手を抜くことなく釣り込む。
「うーん、アタらないな。嫌がっているのかな?」

さらに釣り込もうとパチンコ玉ほどの小エサを打ち込んでいるが、ウケは出るもののその後が続かないのだ。すると、次投はひと回り大きめを打ち込んで仕留める。
「エサの大きさもとても大事。サワリが少なく、もっと寄せたいなら大きめ、こうして釣り込む時は小さくしてやります」

エサの硬軟、そして大小と、単品使いだからこそ、食わせること一点に指先を集中させて釣っていくことが出来るのだ。

日中、アタリはあるもののへらの食い気が落ちてしまった。さらに悪いことに正面から強風が吹き付ける。するとエサ打ちの精度を上げるために13尺竿に替え、流れを考慮しウキの番手もひとつ上げた。
「エサが合っているということはウキの立ち方でも判断することが出来ます。エサを打ち込んで水面に必要以上に寝てしまいつっかえていたり、逆に『スーッ』と素早くナジみ込んでしまったりではエサは合っていません。だからエサを打った時点で、もうすでにへらとの勝負は始まっているんです。一瞬でもウキから目を離せません」

ウキは「スクッ」と立ち上がる。そして3投もせず、13尺竿でもなんなくアタらせ竿を曲げたのだった。
「一景のエサ全般に言えることですが、集魚力がもの凄く高いので、今日、釣ったように単品使いで十分に釣っていけます」

再びイレパクにしてしまった吉田は、最後に笑顔を見せながらこう締めくくってくれた。

日中、正面から強風が吹き始めると、竿13尺のタナ1本に替え、良型を次々と追釣した!

エサ作りエサ付けとも同じ手を使おう! 1.「SD 蒼天」4 杯 2. 水1 を入れる 3. 手を熊手状(エサ付けする手で作ること)にして決して練り込むことなく15 回ほど軽くかき混ぜる 4. ボウルの縁に寄せて数分間放置し、水分をしっかりと吸収させる 5. 吉田のダンゴエサは綺麗なまん丸が基本

1.「SD 蒼天」4 杯 2. 水1 を入れる 3. 手を熊手状(エサ付けする手で作ること)にして決して練り込むことなく15 回ほど軽くかき混ぜる 4. ボウルの縁に寄せて数分間放置し、水分をしっかりと吸収させる 5. 吉田のダンゴエサは綺麗なまん丸が基本

「SD 蒼天」の「軽さ」と「粘り」で、これぞ両ダンゴという、速攻の釣りが可能!!

よしだ しんたろう 1949 年生まれ
東京都葛飾区在住
ビッグへら鮒会、FB クラブ所属 TEAM 剛 会長
一景アドバイザー