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へら鮒 2017年1月号 へら鮒
2017年1月号
特別企画 NEW ブランド「一景」冬場に備えての段底指南!! in 水光園 高久勝俊

冬場でも両ダンゴで釣りたいと宣言している高久氏だが…。 その思いを吹き飛ばす新エサが「一景」から生み出された。 その商品名は「荒粒ペレット」、「細粒プロテイン」。 活性が低くなる冬場の底釣りは、段底狙いがメインとなる。 そのため、宙にあるバラケを クワセに向かって降り掛かるように落下させる。 寄せるために必要不可欠なのが粒系のペレット。 麩系だけを漂わせていては刺激がないので、 すぐにエサボケして反応しなくなってしまう。 それを解消するのに役立つのが粒状のペレットだ

写真と文 本誌=伊藤洋一

取材協力:水光園
TEL:047-491-2749
http://herabuna-suikouen.com

広松久水産株式会社
TEL:092-672-1017
http://ikkei-jpn.jp/

「荒粒ペレット」、「細粒プロテイン」。

新ブランド「一景」からニューアイテムが新登場!

今回メインに紹介するのは、段底を始めとするセット狙いでは、バラケ性をコントロールするうえで絶対に欠かせない「粒系」のペレット。

集魚効果があり、配合する量によってタナ周辺での落下速度で下へと口を下げることができる。が、しかし、落下が早すぎると、低活性時の冬場は動きが鈍いので「追えない」ということで反応しなくなってしまう。

活性や状況に応じた適切な量の見極めが重要となる。

それをコントロールしやすいようにと新発売された「荒粒ペレット」。もう一つは、一景が培ってきたノウハウを活かして新素材を使った「細粒プロテイン」。 その使い方を、シンプルかつ大胆で超攻撃的な釣り方を得意としている高久氏に紹介してもらう。

11月17日(木)、忙しい仕事をやりくりしてもらってこの日が取材となった。その舞台となったのが千葉県白井市にある「水光園」。

緑豊富な木々がグルリと池を囲んでいるので冬場は風に強く、夏場は木陰となる釣り座が点在しているので大変涼しい。自然環境に恵まれた静かな釣り場である。

待ち合わせ時間6時に到着すると、高久氏はすでに来ていて、事務所内でオーナーに状況を聞いていた。
「水温が高いので、旧べらが底に居着いてなく厳しいかも知れない…。高久さんなら大得意のメーター両ダンゴでバクバクになっちゃうから、それをやったら…。でも時期的に段底狙いがこれからメインになるから、正解の釣り方を見つけて下さい。たぶん、開きがいいバラケを打つとサワリだけで終わって難しいと思います。嫌いな待ちのリズムでないと、いいウキの動きにならないですよ…」

事務所寄りにはフリーのお客さんが入っていたので、邪魔にならないように奥へと進んで中央部の43番に腰を下ろして準備。すぐにバラケを作り始めた。
「バラけ過ぎはダメとのオーナーからの忠告なので、それを踏まえて自分のなかで抑え気味から探っていきます」
「荒粒ペレット」50cc、「荒麩バラケ」200cc、「底餌クロレラ」50ccを粉の状態でよくかき混ぜてから、水100ccを加えると、指先を熊手状にしてガサガサと高速回転で20回程度かき混ぜた。浸透して落ち着くまで時間を利用して仕掛けのセッティング。

竿は数釣りが主流でも軟らかい調子で釣っていきたいということで、竹竿の「深山」11尺2寸。ミチイトはダクロン0.6号。ハリス上0.5号、下0.4号、20—45cm。ハリ上「バラサ」6号、下「カットクワセ」4号。ウキは「光作」朱鷺 PCムクトップ8番(羽根2枚合わせB8cm、カーボン足6cm、PCムクトップ17cm)、全9節中、エサ落ち目盛は4節沈め。

1. 大きく丁寧にかき混ぜて作られたバラケは「フワッ」としている。お麩が立ち、いかにもよくバラけるといった手触りだ 2. クワセは「一景」から新発売された「粘軽うどん」。即席ウドンだけに、ちゃんとした粘りと軽さを持っている。硬めに作り、アルミ製のポンプで絞り出して使用 3. これはへらを引きつけるためにバラケをひと回り小さくした時のもの。打ち始めはふた回りは大きい。クワセは直径4㎜ほど

下バリにタナ取りゴムを刺して、沖めに振切るとトップは沈没してしまった。一気に1mぐらい上げて振り込むと、最初は沈没していたが、竿先を軽く持ち上げる動作を繰り返して、ウキの真下にラインが一直線になるようにすると、水面スレスレでトップの先端がチラチラと見え隠れしている。20cmぐらい手前にウキを立ててカケアガリであるかを調べたが、ほぼ平坦である。

穂先1本弱残しで、下バリトントン設定にした。無駄のない作業でテキパキと操り、あっという間に終えた。

クワセはこちらも新発売される「粘軽うどん」。フタ付きの計量カップに水15ccを入れてから10ccを加えて、素早くシェーク。音がしなくなったら止めて、フタを空けて硬さが均一になるまで指先で約10回程度練り込んだ。

オカユポンプに入れ、直径5mm程度の大きさに押し出して、下バリにチョン掛けで使用する。

5分間ぐらい放置されたバラケのタッチを確認すると、水が吸い切ったことで最初よりもボソっ気が強まっている。

それを感じ取った高久氏は、さらに高速回転でガサガサと15回ぐらいかき混ぜた。簡単にしっとりボソタッチの完成である。

苦手なじっくりリズムで、ゆっくりとバラけた粒子を落下させて、ジワジワと寄せながら釣っていく。急ぎ過ぎると地底にあるクワセを拾わなくなってしまう

バラケを塊で抜くか、チリチリと狭くのどちら…

「まだ、新しいペレットを1回しかいじっていません。状況に応じての対応の仕方がイマイチ把握できていないので、釣れるか分かりませんが、若い頃と違って、ここ最近はチャレンジすることがなかったので、新鮮な気持ちの感情が湧いてきてワクワク、ドキドキしています」

バラケを直径1.2cm程度の大きさに整えると、その中心に上バリを埋め込んで、チモト部分だけを1、2…、5回ほど軽く押さえただけのラフ付け。

ウキの立つ位置よりも少し先にエサを落とす。すぐにスゥーと3節ナジんで停止。バラケ方を知るために待ってみる。すると10秒後に一気にエサ落ちまで返されてしまった。

この動きをみて「ラフ付けだと、バラケが塊のままの状態で抜け落ちてしまう。ナジみきった瞬間の早いアタリ狙いが大好きなので、できるだけ早いタイミングで抜け落ちた直後の『チクッ!』を追いかけたい。が、まだ水温が高く旧べらの活性も高いので、地底にこぼれエサを広範囲に多く散らばせてしまうと、そちらばかりを吸いアオって遠巻き状態になってしまいます。肝心のクワセ周辺には口が近寄ってこないので、サワられてはいるが、決めアタリが出ない、となってしまう。

ですが、待つのが苦手なので、調べる意味でラフ付けで早めに塊のままで抜くのを続けてみます」

早いリズムで打ち返しても地底をあまり汚したくない、の思惑での小バラケである。

2~3節半ナジんで停止すると、その5~10秒ぐらいでスゥーとエサ落ちまで返される。少し待って変化がないと空切りする。10投ほど打ち続けたが、下バリにチョン掛けされたままの形を維持している。これだけの時間を水中に入っていると、すぐに「ふやけて」しまってハリのフトコロから垂れ下がってしまうが…。それがしっかりとフトコロに残っているのだ。

現場で簡単に作れるクワセで、これだけしっかり持って、軽いとなれば、段底狙いよりも、宙釣りでの武器となるはず。使用したPCトップでのナジミ幅は1節以内と超軽量で「だれる」ことがない(15時30分納竿まで作ったままの状態で変化することはなかった)。30分ほど打ち続けると停止した直後にフワ、フワっとサワられるようになり、寄りが感じられるようになってきた。スゥーと返されて「チャッ」と本命っぽい動きだったが空振り。

次投はバラケのナジミ幅が出ているときはサワられていたが、「粘軽うどん」だけになって待っていると静かになっていく。
「深くナジんでいるときはアオられている…、クワセだけになると動かなくなるということは完全な開き過ぎなので、少し抑えてみます」

バラケに2回ほど手水を打ってから、ガサガサと10回程度かき混ぜてまとまり感を強めた。

手直しする前と、同じラフ付けだが4節ナジんで停止。フワ、フワっとサワられているがすぐに返されずに耐えていると、5秒後ぐらいにモャーと重々しく1節返された。その後、一瞬静かになって「チクッ!」と鋭く落とされた。待ってましたの本命アタリに、つい強アワセとなってしまったが、美しい半円を描いている。「やっと釣れました。長かったなぁ」と安堵の表情を浮かべながら尺クラスの旧べらを玉網へと誘導した。

バラケがサワられて抜けた直後の「チクッ!」、「カチッ!」との明確な鋭いアタリで、ポツポツと釣れるようになったが…。

「荒粒ペレット」の弾けて下へ下への落下。「荒麩バラケ」でボソっ気を調整しながら漂いのアピールをして、「底餌クロレラ」のまとまり感を出すことでハリ付けの際の圧調整が簡単となる

「荒粒ペレット」の弾けて下へ下への落下。「荒麩バラケ」でボソっ気を調整しながら漂いのアピールをして、「底餌クロレラ」のまとまり感を出すことでハリ付けの際の圧調整が簡単となる

バラケを打ち過ぎて、口が下を向かなくなると、「荒粒ペレット」をパラパラと差し込む

塊のままで早く抜いてしまうと、
クワセから口が遠ざかってしまう…

高久氏は、何か違和感を感じ始めていた…。
「ハリ付けの際に圧を強めて、深めにナジませても、サワリなしで返されてしまうと、まず反応しない。しっかりと待たせてへらがサワって返される感じにしないと、クワセに口が近寄ってこないようで、決めアタリが出ない。引きつけが足りないようなので、もう少しバラケ性を抑えて塊のまま割れ落として反応するかを試してみます」

手水で徐々にバラケを軟らかくしていくが…。軟らかくしてボソっ気をどんどんなくしていくと、一瞬3~4節ナジむと同時に返されるようになった。その動きから、バラけているというよりも、バラケ自体の自重で上バリから塊のままでポロッと割れ落ちている。

打つほどにウキの動きがおとなしくなっている。
「まだ、低水温ではなく、旧べらに活性があるので、宙層にあるバラケがゆっくりとチリチリと底へと向かって落下させてやらないと、少し上にいる魚が地底のエサを拾ってくれない感じがしました。最初からやり直してみます」と別ボウルに手が伸びた。

ハリ付けの圧調整でナジミ幅、エサ落ちまで返されるまでのタイミングから判断して作られたのは…。

ボソっ気を出してゆっくりと落下させたい、との理由から「荒粒ペレット」100cc、「荒麩バラケ」400cc、水120ccの配合に変更された。

シンプルさが高久氏らしい。5分間ほど放置してから全体をホグして、ボソっ気を強めるために高速回転でガサガサと約20回かき混ぜた。

バラけた粒子を広範囲に散らせたくないとの思惑から小バラケを貫く。

最初の探りの段階では、圧を強めたしっかり付けをし、3~4節ナジミで10秒後ぐらいから1節ジワッと返されては止まっての、ゆっくりと段階を踏んでクワセだけの状態となる。

5投目ぐらいから寄りが復活して、停止した直後にアオられた反動でバラケが抜け落ちた。エサ落ちの6節目まで返された。最初の配合比ではこの状態になると動かなかったが…。それよりも下の7節目がチラ、チラッと見え隠れしている。

いかにもクワセの近くに口がありますよ、のサインである。6節まで戻った瞬間に「カチッ!」と落とされた。水面近くまではあまり抵抗することなく上がってきたが、頭が出る直前から前後左右に糸鳴りさせて走り回る。40cm級の新べらである。

高久氏の好きな釣り方ではないが、深くナジませ、サワられてゆっくりと返される。その道中での明確な鋭いアタリには手を出すが…、怪しい動きは完全にスルーしていると、クワセだけとなっても6節目でフワ、フワッ、モャ、モャして7節目がチラッと出る。一呼吸おいて「チャッ!」と落とす。

連動した段底らしい完璧で明確なアタリである。

9時を過ぎるとポカポカの日溜まり状態となり、ジャンパーを着ていると汗ばんでくる。水温が上昇して活性が高まってきたようで、いい感じの動き方で釣れていたバラケが、ナジみきった直後にサワっているが、返され始めるとサワリが静かになっていく。

そのような状況で、クワセだけになって待ってもアタらない。アタったとしてもカラ、スレになる。
「深いところにいたくない、を感じさせられるウキの動きですねぇ。サワリが出ないからと、バラケを大きくしたり、ボソっ気を強めてしまうと、地底にこぼれエサが多く溜まり過ぎているので、クワセに反応しない。ウワズリ気味だと感じるので落下を早めてみます」

打っていたバラケに「荒粒ペレット」をパラパラと振りかけた。生のままの投入なのでタッチ的にはそれほど変化はなく、少しだけザラッと感が強くなった程度だったが…。
「どう、デカい新べらは釣れましたか?暖か過ぎて段底は厳しいでしょう…」とオーナーが冷たいコーヒーを差し入れしてくれながら、取材状況を見学しにこられた。

小バラケで静かに3節ナジませる。フッとアオられると、耐えることなくスゥーと6節目まで返された。一拍おいて「カチッ!」。次投は1節返されての「チャ、チャッ!」とアタリ返された。

2連チャンでは終わらずに、サワられて抜けてフワ、フワッして「チクッ!」と理想的なアタリ方で3連チャン。
「なんだ、簡単に釣れていますね」と、安心した表情で昼食の準備のために事務所に戻っていった。

荒粒が一足先に落下して、それを追って口が下へと向いて「粘軽うどん」を吸い込んでいるのだ。

ナジんで、アオリが激しくなってすぐに返され、クワセだけになって少し待ってみてサワリが出ないようならば、高久氏はウワズリ気味と判断して、次投は圧を強めてサワられても返されないように訂正する。クワセだけになってアオられるようになると、圧を弱めてのすぐ抜きに戻っての繰り返して釣り込んでいった。

バラケに反応してのカラは多いが、アタリっきり状態となり納得した動きとなったので、次は「細粒プロテイン」を使ってみる。しかし、どのようなタッチにしてもバサッと塊のまま抜け落ちてしまう感じなので、この日の状況には合っていなかった。

日中の最高気温が20℃近くまで上昇した。これだけ暖かくなって、ある程度時間が経つと「だれて」しまうが…。作って8時間近く経過したが、状態は変わらなかった。すごいクワセが誕生した

日中の最高気温が20℃近くまで上昇した。これだけ暖かくなって、ある程度時間が経つと「だれて」しまうが…。作って8時間近く経過したが、状態は変わらなかった。すごいクワセが誕生した

「低水温で動きが鈍くなった状況ならば、塊のままで抜け落ちた方が、こぼれエサが広範囲に散らばらない。狭い範囲で集中させるところにクワセが同調していれば吸い込んでくれるはずです」

ラスト1時間は、「粘りのダンゴ」単品への反応を見る。この日はメーター両ダンゴ地合だったのかを確かめるために、100回ぐらい練り込んで、手水で戻して生麩をパラパラのノーバラケに近いペトコンエサで1投目から釣れ、20分後にはアタリっきり状態となった。ナジみきる寸前、直後に「スパッ!」と消し込まれる。

躍動感のあるウキの動きから、来年の両ダンゴ狙いが待ち遠しいほどで、早く使ってみたいと思わせるウキの動きだった。

これでもか、とビックリするほど豪快に練り込む。水で戻してパラパラと生麩を絡ませる

これでもか、とビックリするほど豪快に練り込む。水で戻してパラパラと生麩を絡ませる