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へら鮒 2016年3月号 へら鮒
2016年3月号
持ちがいいグルテンで、底釣りをキメる! 長竿使いのエキスパート 茅根悟史 IN 友部湯崎湖

話題のニューブランド「一景」で釣る!!

話題のニューブランド「一景」で釣る!! 今回は満を持してグ ルテンエサの登場である。釣り人は友部湯崎湖の月例会で活躍する茅根悟史。長竿使いの名手でそのパワフルな釣りは、時に圧倒的高釣果を叩き出し例会優勝を成し遂げるほど。厳寒期ということもあり、茅根は両グルテンの底釣りを選択。21 尺竿で新べらが居着いているであろう「沖底」を狙った。まずは比重がある「大豆グルテン」に、繊維が強い「強力グルテン」を配合した持ちがいいグルテンで様子を窺う。しかし、寒中の釣りはそうたやすくウキが動くことない。次に作ったグルテンは「バラケグルテン」に「強力グルテン」を配合したもの。エサを軽くすることで、活性が落ちきったへらを強く反応させていくのだった。

Text & Photo by Kazuaki Morotomi

取材協力:友部湯崎湖
茨城県笠間市湯崎1099-5
TEL:0296-78-0127

広松久水産株式会社
福岡市東区香椎浜ふ頭2-3-24
TEL:092-672-1017
http://ikkei-jpn.jp/

茅根悟史

茅根悟史 1977 年生まれ
茨城県那珂郡在住 会社員
へら歴は20 年ほど。小学生の時から近所の野池でへら釣りに親しむ。ここ友部湯崎湖の月例会では、長竿両グルで爆釣すること多数という長竿ボーイ。他、各釣り場の大会でも優勝経験あり。場所柄、近頃はヒラメやひとつテンヤの真鯛釣りなど海釣りにも夢中。とにかく大の釣りキチである 茨城へら鮒会 所属

比重がある「大豆グルテン」100㏄+グルテン量が多い「強力グルテン」50ccに水100ccという、底釣りを強くイメージした配合から打ち始める

1. 現在、「一景」ブランドからは特長ある5 種類のグルテンエサが発売されている。その中から、「大豆グルテン」と「強力グルテン」を選んだ 2. 高蛋白質の大豆粉末が配合された「大豆グルテン」  3. 水を入れると、3本の指で丁寧にかき混ぜる 4. ボウルの縁に寄せ、固まるまでしばらく放置 5. まずは作りっぱなしのものをそのままつまみ使用。しっかりと持っていることを確認すると、小分けしほぐしたものを軟らかめに調整していった 6. エサ付けはチモトを整える際に角張らせたラフ付けが基本となる

21尺竿で「沖底」「大豆グルテン」

1月11日(月、成人の日)、茨城県笠間市にある友部湯崎湖は冬晴れ。今年は暖冬といえども、やはり友部の朝はガッチリと冷え込んでいる。 今回、登場する茅根悟史は同池の月例会で活躍する長竿使いの名手。そのパワフルかつ繊細な釣りは見事で、月例会でも何度となく爆釣を記録し優勝 している。

「この辺りでいいでしょう」と、4号桟橋の中央付近、5号桟橋向きにバッグを下ろした。釣り場のポイントは「勝手知ったる」である。

「21尺で底釣りをやります。湯崎湖の場合、にかく『沖底』がいいんですよ」

ウキは「仁成作」ボディ12cmのPCムクトップ エサ落ちは2目盛沈 道糸 0・8号 ハリス 0・4号 50-55cm ハリ 「角マルチ」5号 竿21尺

打ち始めのエサは「大豆グルテン」100㏄+「強力グルテン」50㏄に水100㏄友部湯崎湖、竿21尺タチ3本強 両グルテンの底釣り

茅根へと与えられたテーマは「両グルテン」。それならと、寒中らしく底釣りでビッグサイズの新べらを狙うのだ。 ウキへとタナ取り用のフロートを取り付け、重めのタナ取りゴムを両バリへと差し込み、ラインをしっかりと張り切った状態での正確な底立て。ウキのトップ先端1目盛が水面に残るようにウキの位置を微調整すると、さらには竿を出し引きしながら、ウキ下のラインが斜めに張っていないかを確認する。とても繊細だ。設定したタナは上バリトントン。底釣りの基本だ。

まだ霜で真っ白な桟橋に置かれた「一景」のグルテンエサシリーズ。5色の色彩豊かなパッケージが並んだ。その名前どおりに、「一景」は四季折々、様々な景色に存在感たっぷりに溶け込む。

その中から茅根がまず選んだのは「大豆グルテン」。その品名から、記者もとても気になっていたエサだ。この「大豆グルテン」は高蛋白質の大豆粉末が配合された高集魚タイプ。その比重はグルテンシリーズ中最も重く、ズバリ底釣りには適している。

取材日前に時間を取ることが出来ず、茅根は当日に初めて「一景」のグルテンを使うことになった。それだけにかなり興味津々。「やっぱり底釣りですから、『重め』を打っていきます」

そして、この「大豆グルテン」をベースとし、さらに持ちをよくするためにと、グルテン量が多い「強力グルテン」を配合。比重、そして持ちのよさで地底まで確実にエサを届けてやるのだ。

●エサは「大豆グルテン」100cc、「強力グルテン」50ccをよくかき混ぜて水100cc入れ、人差し指、中指、そして薬指の3本で丁寧にかき混ぜた後、ボウルの縁に寄せてしばらく放置。固まったら小分けしたものを軽くほぐし、直径1cm強の大きさに軽く丸めてハリ付け。ハリはエサの斜め上部からエサのセンターへと差し込まれ、チモトを2~3回角張らせた状態で整えたラフ付けを打っていく

「本来は上からの入っていくアタリを重要視していくんです」

茅根の釣りは攻撃的。エサを上からガンガンとへらに追わせた早い釣りが信条である。PCムクトップのウキを使用していることからも想像することが出来るが、さすがにこれからの厳寒期に、その早い釣りはそうそう成立はしないことだろう。がしかし、少しでもへらの食いがよければすかさず攻めていく構えだ。

ちょい角張らせたエサのラフ付けは「寄せ」を意識したもの。「この『大豆グルテン』っていい匂いがしますね。エサのタッチも非常によくとてもハリ付けしやすいですよ!」

タナ取りとまったく同じく落とし込みでエサを打ち込む。若干、地底の変化があるためウキのナジミ幅は2~3目盛。
「しっかりと持っていますね」

比重がある「大豆グルテン」と(もちろん単品でもよく持つ)、さらに持ちをよくするための「強力グルテン」という配合は、茅根が持つ「底釣りのグルテンエサ」のイメージどおりのようだ。とにかくきちんと持ってなければ釣りは始まらない。

「バラケグルテン」100cc+
「強力グルテン」50cc+水150cc エサに「軽さ」を求める! さすがに厳寒期ともなれば、そうたやすくウキは動いてくれない。茅根が次に求めたものは「バラケグルテン」の軽さだった

「バラケグルテン」いきなり連チャン

なんと2投目でアワせた!?さすがに乗りこそはしなかったが、エサが確実に持っているからこそアタるのだ。

そこからしばらくは微弱なサワリが続くだけ。強い冷え込みに、さすがの湯崎湖べらもそう簡単にはウキを動かしてはくれない。

ここで水に浸した指先でグルテンをつまむように4~5回揉んで、さらに食わせやすく軟らかめに調整する。この対応で2回アワせたが、それでも竿は曲がらなかった。

ここで茅根が大きく動く。「バラケグルテン」をベースにしたエサを作った。「バラケグルテン」はその名が示す、マッシュのバラケを重視したバラケ性が強く、そして比重は一番軽い。

●「バラケグルテン」100cc「協力グルテン」 50ccをよくかき混ぜ、水150cc入れ仕上げたもの

エサに「軽さ」を求め、グルテンの落下速度をゆっくりにしてやることで活性が下がりきったへらに強くアピールしてやるのだ。

固まったものを軽くほぐし使用するが、最初に作った「大豆グルテン」ベースのグルテンよりも、軟らかめながらしっかりとコシがある指触り。これなら比重が軽くても、厚い魚の寄りの中でしっかりと底まで持ってくれそうである。

バラケグルテン

寄せるといっても、へらの活性が落ちきった厳寒期だけに、バラけ過ぎは、ただこぼれエサを拾われてしまうだけでアタリへとは繋がらない。「バラケグルテン」と「強力グルテン」を配合することで、エサの必要以上の広がりを抑えてやるのだ

「最終的な持ち加減は実際に魚が厚く寄ってきてからですね」

新べらが底にガッチリと居着いているという状態ではなく完全に回遊待ちとなり、今はまだ寄せの段階。
「モゾッ」

微弱なサワリが続いていたが、突然アタる。しかし乗らない。次投、待って「カチッ」と強くアタってきたが、これでもカラをもらう。へらは確実にエサの回りに寄ってきているのだが、さて、どうしたものか…。 そこからまたしばらくアタらない。共エサではさすがに寄せきれないのか、少々不安がよぎるが、当の茅根は「もう一歩」という状態のウキへと鋭い視線を向けながら、次の一手を考えているようだ。

そして、これがなんと驚くことに、記者が対岸へと回りカメラを構え始めると、いきなり竿を曲げた。そしてそこから4~5枚をパタパタと連続で釣り込んだのだった。これはチャンスとばかりに無我夢中でシャッターを押した。しかし、いったいどうして釣れたのだろう? まるで魔法でも使ったかのようなそのイレパクが一段落したようなので、急いで茅根の釣り座へと戻り、「なにをどうしたのか?」と訊ねると…。「それはですね、最初に作っておいた『大豆グルテン』ベースのエサを下バリに小さく付けてみたんです」

なるほど、その手があったか。軽め、重めのグルテンを上手くセット感覚で使って釣っていったのだ。へらはちゃんとエサに寄ってきていることを、微弱ながらもそのサワリで確信していた茅根は、これで今までアタってもカラを出していたへらを釣り込んだ。

寄せ重視の「バラケグルテン」ベースのエサを打ちながら、サワリが出始めてアタってカラになれば「大豆グルテン」ベースのエサをクワセ用として、それこそ「大豆ほどの大きさ」に小さく付けて打ち込んだのだった。確実に持ってくれるエサだからこそ、小さくしてもきちんとアタリを導いてくれる。『寄せるためのグルテン』と『食わせるためのグルテン』が必要だったのだ。

余計な魚を寄せない両グルテンの釣りだけに、釣れてくるへらの新べら率は非常に高かった

アタリは「ムズムズ」と弱くサワられながら「チクッ」と、しっかりと抑え込まれたもの。

沖に立つPCムクトップとただでさえ視認しずらい上に、この極小のアタリを逃すことなくアワせていく。竿を曲げたのはほぼ新べらである。

軽め、重めのグルテンエサを状況に応じてローテションしながら枚数を重ねていく! この取材で初めて「一景」のグルテンエサを使った茅根であったが、自分の釣りのイメージどおりのエサをいとも簡単に作り上げてしまった。それだけ「一景」のエサはブレンド性に優れ、とても使いやすいということなのだ

ローテーション宙釣りにも期待大

この2種類の配合エサを状況に応じてローテーション。寄せて、釣って。また寄せてというエサ打ちとなる。この釣り方に、「大豆グルテン」と「バラケグルテン」がベストマッチ。もちろん、バラけ過ぎてしまいへらがこぼれエサばかりを吸ってしまわないようにと、「強力グルテン」でエサ持ちをよくしたことも絶大な効果があることも忘れてはならない。
「やっぱり底釣りなので、しっかりと地底で持たせたいですよね」

最初から「強力グルテン」を配合した茅根の意図ははっきりしている。繊維が強い「強力グルテン」を配合することで、弾力あるグルテン繊維が良質のマッシュを包み込み、地底で「フワッ」と膨らんだ状態を長くキープ。無駄なくへらの食い気を誘うのだ。

鋭い目線でウキを凝視する。いいサワリが出 れば、小さく引きサソイを掛け、徹底してアタリを待って仕留めていく

底釣りらしく徐々に寄せが効いてくると、朝イチの状態からはとても考えれないほどアタりっきりになる。こうなると不明確なウキの動きには決して手を出さなず、極力、「1投で1枚」を釣る気持ちで釣っていく。

「この時期は特にですが、底が綺麗な状態で釣っていきたいですね」

やはり厳寒期の底釣りでは、エサの打ち過ぎは禁物なのだ。

完全にナジみきってから、「モヤモヤ」とサワられる。早い釣りが信条の茅根だが、さすがに今日の地合ではウキをしっかりとナジませへらに返させアタらせるという、「完全底釣り」で釣っていくしかないようだ。強くいいサワリが出れば、そこから、時に軽く引きサソイを入れ、徹底してアタるまで待って仕留めていく。食い気のあるへらがいれば、サソって一発でヒットしてくることもあった。

アタリが遠くなると、「バラケグルテン」ベースの配合だけで打つ。ナジミ際に「ズッ」と入ったが、もちろんこれにはアワせない。まだハリスが張ってない状態だけに、大きな動きは糸ズレの可能性がとても高いのだ。もう完全にアタリはナジみきって上げてきてからのもの。エサ付けは基本ラフ付けだが、強くウケられるという魚の寄りが厚くなれば角張らせることなく綺麗に丸めたものを打っていく。連続で釣ったかと思うと、次投からはなかなかウキは落とされない。
「いるけど食わない感じですね」

サワリは続くが落とされないまま。ここで、「大豆グルテン」+「強力グルテン」を両バリに小さく付け打ち込む。ナジみきる直前に「ズバッ」と大きく動いたがこれは糸ズレと手を出すことはない。ナジんでそこから1目盛、2目盛と上げられてもアタってこない。これが2投続いた。真冬の釣りはもどかしいが、そこは決して焦らず、慎重かつ丁寧に、待つ時は徹底して待って釣っていくことである。

今日の釣りのキモとなるグルテンのローテーションだが、茅根の考え方や目安は以下のとおり。

【しっかりとサワってアタる時】
「バラケグルテン」+「強力グルテン」を両バリに付けて釣る
【アタってカラになる時】
「バラケグルテン」+「強力グルテン」を上バリに、「大豆グルテン」+「強力グルテン」を下バリに小さく付けて釣る※「大豆グルテン」ベースは比重があるので食いやすいようにさらに小さく付けること
【サワっているがアタらない時】
「大豆グルテン」+「強力グルテン」を両バリに付けて釣る

この完璧なローテーションで、へらが寄ってきてからは決して大きく穴が空くことなく釣っていった。

「もうへらの寄りもそこそこあるので若干追わせ気味で釣っていきます」と、そしてさらに釣り込むべくハリス長さを変更。55cmの下ハリスをそのままに上ハリスとし、下ハリスには62cmを付ける。そして長くなった分、ウキの位 置を5cm下げる。

「一景」のグルテンはブレンド性にも優れ、とても使いやすいですね。そしてなにより、「ここぞ」というアタリまで、しっかりと持ってくれます! 【宙釣りのお勧め配合】「バラケグルテン」100cc+水100cc+「強力グルテン」25ccを振りかけほぐす 新べらが寄ってしまえば、ウキは動きっきりになる。しっかりと持っていることを確信することがで出来る「一景」のエサだけに、もうきっちりとアタリを待って釣りきるだけであった

ハリスを長めにして強く反応させることも大切だが、最後はセット感覚の釣りを意識して、より食わせやすくするためにハリス段差を7cmに広げた。これでナジミ際の早いアタリも取っていくが、ナジみきってしまえばそこから待て仕留める。強い粘着性が特長で、とても持ちがいい「一景」のグルテンだからこその釣りだ。

そんな見事な両グルテンの底釣りを披露してくれた茅根に、今回使用した「一景」のグルテンエサの感想を訊く。「本当にタッチがよくとても使いやすい。ブレンド性にも優れているし、なによりもちゃんと持ってくれます。これなら宙釣りにもよさそう。4月の湯崎湖は両グルの宙で爆釣ですからね」 それならと、ちょっと気が早いが、その宙釣りで爆釣することが出来る配合を作ってもらうことにした。

「へらもそこそこ活性はあるので追わせる釣りで、そうですね…」と、選んだのはまたしても「バラケグルテン」と「強力グルテン」。しかし、その作り方がまったく違った。

●「バラケグルテン」100cc に水100ccを入れ、固まる前に「強力グルテン」25ccをパラパラと振りかけた後、ボソっ気を出すように解したもの

「これをウキが強くウケられるまで、とにかく回転よく打ちっぱなしです!」

これはぜひとも見てみたい釣りだ。機会があればその時はまた茅根に登場してもらうことにしょう。

今回、初めて使ったにも関わらず、なんなく底釣りをキメた。そんな使いやすい「一景」シリーズのエサからこれからも目が離せない!